『速く・わかりやすく』書く技術

 (栗田昌裕著。KKベストセラーズ[ベスト新書]05年5月1日初版)
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まえがき

 文章を書くことは、現代社会の至るところで必要とされている。
 しかし、「書くことが苦手」という人は非常に多い。
 これは最初から完成度の高い文章を書こうとするからである。
 書くことに時間がかかりすぎることも苦手意識を助長する一因である。
 本書はそんな人が「速く・うまく・わかりやすい」文章を書く力をつけるための本だ。
 「速く・うまく・わかりやすい」文書を書く力を「速書力」と呼ぶ。
 速書力を得るには、まず、「質よりも量」の戦略を採用して、どんどん書くことだ。
 そのためには「生活の中で楽しく書く機会を増やして、習慣化する」ことが大事である。
 そうすれば、自然に、しかも効率的に速書力を高めることができる。
 本書はそれを実行するためのさまざまなアイデアや工夫やトレーニングを紹介する。 
 画期的な本書の内容をマスターして実践すれば、日常生活のさまざまな場面で役立つ。
 速書力はビジネスの現場でも、学習でも、試験でも、至るところで必要とされるからだ。
 しかし、本書の目指すところは単に「文章表現力の上達」だけではない。
 速書力を高める訓練を通して、「頭が良くなること」を目指しているのだ。
 以下、そのことを簡単に説明しよう。
 私は過去に何万人もの人たちに速読法を初めとする能力開発法を指導して来た。
 筆者の能力開発法の体系全体は、栗田式能力開発法、またはSRS能力開発法と呼ぶ。
 実は、本書の方法は、能力開発法の一部門として指導される「速書法」の内容なのだ
 「速書法」の第一目標は、文章上達への努力を通して、もののとらえ方や考え方や発想の仕方に変革を起こして、知的能力そのものを高める(=頭を良くする)ことにある。
 第二目標は、その結果として、より合理的で成熟した知的技術を完成することだ。
 すなわち、「速い・うまい・わかりやすい」速書力を高めることは、「情報を幅広く収集し、適切な情報処理を行い、それを的確にアウトプットする」という、仕事や学習に必要不可欠な能力を開発するトレーニングになっているのだ。
 本書では、速書法の内容に、具体的で実践的なトレーニングを数多く加えて紹介した。
 トレーニングを重ねることで内容は自然に身に付き、実力は確実に伸びることだろう。
 この本との出会いを通じて、読者が、文章作成に光と喜びを見出し、自信を深めて、文章が役立つさまざまな場面で活躍されることを期待している。
           
 
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