脳をいままでの10倍よく働かせる法

 栗田昌裕著。三笠書房。2004年3月10日発行
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 はじめに ---- 楽しんでやってみよう! 「脳が10倍パワーアップ」術

 本書では、一人ひとりの人間の中に潜む素晴らしい能力を引き出すために、心の法則に加えて脳のメカニズムについで触れながら、日常の中でできる能力開発トレーニングを紹介していきます。
 能力開発のコツは、ごく小さなきっかけから、非常に大きな成果を誘発することです。
 これは、小さな音から大きな雪崩(なだれ)を引き起こしたり、ごくささいな化学反応から大きな連鎖反応を引き起こしたりする作業に似ています。
 人間の脳力には「脳」と「心」の二つの側面が関わっています。脳とは客観的に動く精神の場であり、心とは主観的に動く精神の場です。機械の能力には「心」にあたる側面が欠けています。能力開発のコツは、主観的でソフトな「心」をうまく用いて、客観的でハードな「脳」を使い切っていくことにあります。
 最初の「小さな変化」をどのように作り出すかがわかれば、能力開発がいかに容易なことであるかがわかり、その上、面白くてたまらなくなってくるでしょう。
 脳の動きは複雑怪奇であり、最新の科学でも完全には解明されていません。脳の仕組みや働きという面からのアプローチ法だけでは、充分な能力開発をすることはできないのです。
 例えば、記憶する脳の仕組みは現代科学でも完全にはわかっていません。しかし、記憶の分野では自分で体験したり観察したりしたこと、いわば「心」にインプットされているものですから、記憶力を改善したい人は、「心」の中で知識がどう動いているのかを観察し、それを改善する方向で訓練をすれば、今すぐにでも記憶力は改善できるのです。
 このような方法を「心からのアプローチ」と呼びましょう。記憶力にかぎらず、他の能力でも同様な方法が使えます。このような「心からアプローチする」姿勢がつかめると、明日や来月や来年からでなく、本書を読み始めた今からすぐに能力開発の豊かな体験を得られ始めるのです。
 「脳」だけにこだわっていると、「心」は束縛されて、その働きが萎縮し、自由で豊かな情報処理ができなくなります。
 ところが、遺伝的・生理的に制約のある「脳」への執着を離れると、際限のない自由な心の扉が開かれて、その本来の働きが躍動し始めるのです。
 繰り返し強調しますが、「心を開いた能力開発」-----これがあなたの脳をもっと活性化させる上で、一番重要なことなのです。
 私は従来から速読力の養成を出発点とする「SRS能力開発法」(略してSRS)を提唱していますが、SRSでは、能力開発を「心を開き、発展させること」ととらえています。本書ではその考えにしたがって、心を開き、発展させるためのトレーニングを六十の法則にまとめました。
 本書ではSRSそのものについての詳細は述べませんが、引用した体験談などをよりよく理解しやすいように、その基本的な3つのステップを紹介しておきます。
 SRSに第一段階は、スーパー・リーディング・システム(Super Reading Sysytem)と呼ばれます。これは従来の「読む」という作業を超えた新しい理解のシステム(認知のシステム)を作り上げます。
 第二段階は、サブコンシャスネス・リコンストラクション・システム(Subconsciousness Reconstruction System)です。これは潜在意識を再構築する方法です。これによって、心の深層世界の構造を作り変えていくのです。その結果、心の中の情報の流れが一変します。
 第三段階は、スーパーコンシャスネス・リアライジング・システム(Superconsciousness Realizing System)です。従来の心の働きを超えて、人生の場での情報の流れを認識し、それを変革する広大な意識を実現します。その結果、新しい人生を創出する実力が得られます。
 本書にはこのようなSRSのエッセンスが随所に盛り込んでありますので、本書を読むことで、頭をパワーアップし、いままでの10倍活用する術を体得してください。
    栗田昌裕
  
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