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SRS心象法とは何か <概略> お急ぎの方は(1)〜(3)だけをお読みください。 少し余裕のある方は、それより後もお読みください。 (1) SRS心象法は、SRS能力開発法の体系の中で、「感覚を鋭敏にし、心象能力(イメージ能力)を発達させる」部門です。これはSRS能力開発法180ステップの中のステップ31からステップ40までの段階に該当します。 このうち、「心象法A」は、予備知識なしの初心者でも受講できる講座です。 (2) 心象法Aでは、イメージと感覚の働きを理解するための基礎的な概念を学んだ後、五十音「あいうえお」の流れにしたがって、毎回、独自のイメージ世界を作り上げるための多数の特殊訓練を重ねていきます。講習で描かれる内面世界は、全体として壮大な心象空間を構築するように周到にデザインされたものです。 以下、いくつかの訓練の例を掲げておきます。 それぞれの具体的な内容はステップ毎に変化していきます。 ■ステップ毎のテーマの紹介 ■イメージの六つのキーワード ■イメージの八大要素 ■基本訓練1 イメージ宇宙の凝縮 ■基本訓練2 イメージボールの確認 ■基本訓練3 イメージボールの実体化 ■基本訓練4 イメージの庭作り ■各ステップを表現する自然界の基本イメージを描く ■「field、object、view、point、scene」の概念 ■五十音の別荘づくりとスケッチ ■基本パターン訓練 ■12の遊歩道作り(12本のトレールを描く) ■感覚想起訓練 ■別荘での樹木法 ■状況イメージ訓練 ■過去のリライト訓練 ■旅想起訓練 ■セルフイメージ訓練 ■自然のイメージ訓練 ■笑い玉訓練 ■五十音の指回し ■常識イメージ訓練、等々。 (3)ステップ36から40までは「心象法B」と呼び、ステップ35まで受講した方のみが受講できます。心象法Bを受講される方は、すでにSRSの流れを承知しておられると思いますので、以下は、心象法Aの導入部分の説明に留めます。 ステップAでは速読法は扱いませんが、ステップBではステップ30までの速読法の流れがさらにレベルアップされて続いていきます。 また、30ステップまで学んだ方は、31ステップ以後は、イメージ訓練がグレードアップされたファイルトレーニングという内容を学ぶことになります。 -----------心象法Aの導入------------------ A1) 心象法は『思いづくり』の訓練 私たちの心には「思い」が満ちています。私が目を閉じると、小さい頃に遊び回った野や山の場面が「形」として浮かび上がってきます。その場面のあちこちに、その頃の「形」にならない「思い」がただよっています。このような「思い」の集積とその運動が私たちの内面の実体なのです。 「思い」の現象には、いつかどこかで思った過去の「思い」が無数の「思い出」として蓄積されている側面と、その「思い出」を想起してそれに新しい思いをつなぐ側面と、今新たに「思い」を作り出してゆく側面との三つの側面があります。その際に、心の場をより広く解放して、より深い領域で「思い」の作業を行うと、日々の「思い」のありようが変わってゆきます。 心象法はそのような「思い」の現象をとらえ、「思い」を扱う作業を改善していく作業です。 A2) 能力開発には3つのレベルがある SRS能力開発には3つのレベルがあります。 第一レベルは、速読法を中心とした能力開発を推進する体系です。 これは通常の社会で生活する人間としての能力を高めます。 社会生活や対人生活で重要なコミュニケーションの能力を飛躍的に活性化するのが、第一レベルのSRSの訓練体系です。 第二レベルでは、通常の心の活動を支えている意識よりも奥深い心の世界をとらえ、そこを作り直していくものです。この段階を比喩的に表現すると、人間の活動を支えている大地のイメージに託して、「地の能力開発」と呼ぶこともできます。 第三レベルのSRSは、そのような改築された心の働きの基礎の上に、人として十分な能力を磨き、さらにそれを飛躍させて、新しい世界に応用し、従来にない生き方を創造していくものです。その段階は比喩的に「天の能力開発」とも呼ばれます。 第一レベル(これは「人の能力開発」と呼ばれます)には、三十ステップ、第二レベルには五十ステップ、第三レベルには百ステップの訓練体系が準備されています。 SRS第二レベルの見通し SRSの体系の中では心象法は31ステップから40ステップまでを構成します。しかし、実際には、心象法の流れは80ステップまで続いてゆきます。 心象法が深まると自然に記憶法に流れこんでいきます。やがて、その流れは、瞑想法に及び、活夢法につながってゆきます。大きな区分では、41ステップから50ステップまでは記憶法、51ステップから60ステップまでは瞑想法、61ステップから70ステップまでは活夢法、71ステップから80ステップまでは変革法です。 心象法は潜在意識の構築を自覚し、その要素を作り変えてゆく具体的な作業の始まりです。その意味でこの段階はSRSの第二番目のレベルであり、Subconsciousness Reconstruction System(略してSRS)とも呼ばれるのです。 A3) イメージは能力の増幅装置 イメージには恐ろしい力が秘められています。 というのは、イメージには人を萎縮させ、行動を抑制する働きもあれば、逆に人を高揚させて、ふだんでは絶対に出せないパワーや、驚くべきインスピレーションを発揮させる働きもあるからです。 このことはイメージが人の能力の「増幅装置」であることを意味しています。 ところが、世の中にはこのイメージの増幅装置がうまく作動している人と、誤って作動している人とがいます。また、作動している人でも、不十分にしか作動していない人と、十二分に作動している人がいます。皆さんはいかがでしょうか。 私たちが元気よく幸福に人生を過ごす上で、イメージを描く能力を高めていくことは極めて大切なことです。 イメージを描く能力の高まりは想像力や創造力、洞察力を活性化させるばかりか、イメージ力を活用すれば「明るく、楽しく、心地よく」暮らせるようになり、人生の味わいも今以上に深まるからです。 私たちが秘められた能力を十分に発揮し、より豊かな人生を獲得するには、平素からイメージ能力を鍛え、伸ばしておくことが望ましいのは言うまでもありません。 私の提唱するSRS能力開発法では、心の働きを最大限に発動させる方法論を展開していますが、そこには八つの部門があり、このうちイメージ能力を発達させる部門を心象法と呼びます。 鮮明なイメージを臨機応変に描く能力を獲得すれば、心の開発のもっとも重要な段階をクリアーできます。イメージ能力は、心の場を確立する有用な方法論でもあり、そこから他の部門である速読法、瞑想法、記憶法、活夢法、健康法にも豊かな枝を自由に伸ばしていくことができます。 本講座によって、潜在意識の底に眠っていた能力や、深い意識の底に沈んださまざまな体験や想念を呼び起こして、日常の生活で十分に活用できるようになってください。 本講座の訓練内容に合わせて、リアルなイメージを描くように努力すれば、皆さんのイメージ力は驚くべき成長を遂げて、日々の生活が改善され、「明るく、楽しく、元気になる」ことでしょう。 さあ、これから、楽しいイメージ力の世界を探検しましょう。 A4) イメージ訓練の五大効果 人間にとってイメージ能力は非常に不思議な働きを秘めたものです。 心象法はそのイメージ能力を高める技術ですが、その訓練効果は大きく次の五種類に分類できます。 第一は体への効果で、体が元気になり、体力が高まります。 第二は内臓への効果で、内臓がリフレッシュされて、活力が湧いてきます。 第三は感情や情緒への効果で、気分がさわやかになり、気力に満ちてきます。 第四は言語能力への効果で、発想が豊かになり、記憶力・思考力が高まります。 第五は潜在意識への効果で、心が広がり、性格や行動が明るく前向きになります。 SRSでは、人の心の働きを図に示すような六つに分類しています。イメージの能力もその一角をなしています。 イメージの働きは、それを適切に活用すれば、残りの五つの心の働きすべてに強力な影響を与えるものとしてとらえられます。 A5) イメージ訓練ですばらしい心づくりを イメージ訓練の意義は、心の世界を「作る」方法論を実践することです。 有効な方法を収得して、素晴らしい心の世界をクリエイトしていきたいものです。 私は坐禅をしたり、瞑想をしたりして長い期間を過ごした経験があります。 坐禅や瞑想は、心を探究する方法ではあり得ますが、「心を作る」(心を具体的に構築する)方法にはなっていません。心の探求は素晴らしいことであり、今も私は心の探究を続けていますが、「心を作る作業」はもっと素晴らしいことだと考えています。 心の探究と心を作ることとは全く違う作業であることを知っておいてください。 どのように心を作っていくかを具体的に実践するかが、SRS能力開発法の体系の重要な特徴であり、そこにはそのような作業を通じて新しい世界が開けてくるのです。 心を作るからには、誰がどこでどうやって作るかが問題になります。 そこで、SRS速読法の講座でも活用されている簡単な心のモデルについて、次項で具体的に説明しましょう(詳細は、拙著「頭がよくなるコツがわかる本」、コスモトゥーワン刊、などを参照)。 A6) イメージは従業員が作る(心の二重構造と潜在意識の働き) 心のモデルでは、心を二つの領域に分けます。 会社には、「社長」と「従業員」がいますが、心の働きも同様にとらえます。 皆さんが「私」と思っている働きを「社長」と呼びます。 「私」以外にも、実は無数に近い「従業員」が動き回っているのが心の真相なのです。 イメージ訓練に即して説明すると、イメージの描き方を学ぼうと努力している主体が「社長」です。例えば、この資料を入手したのは(おそらく)「社長」です。しかし、その命令を受けて、実際のイメージを描き出しているのは「従業員」なのです。したがって、先の訓練で評価したイメージボールの描き方が適切だったかどうかは社長だけの問題ではなく、従業員の問題なのです。 従業員が社長の意志を汲んでしっかり働いてくれれば、面白く楽しく鮮明なイメージボールが描けたはずです。 ボールがうまく描けなかった人は、従業員が(たとえば)「「昼寝」をしていたのかもしれません。昼寝をしていた原因は、過去の教育の不適切さや、指導不足にあると思います。 SRSの体系はその指導法を提供するものなのです。 A7) 心を動かすルールに従ったイメージの豊かな素材作りを イメージ訓練では、たくさんの従業員を目覚まして、ある一定のルールにしたがってそれを動かしていきます。その技術をこれから一つ一つマスターしていくのです。 さしあたって、皆さんは心の世界の社長です。 社長には、イメージを描いている場所があり、イメージはそこでの製品(または作品)なのです。製品の善し悪しをチェックしながら、従業員たちがどこから素材を持って来て、どういう作業をしてイメージを作っているか、そのイメージを何に役立てられるか、ととらえてください。 イメージの製造過程についてもう少し説明しましょう。まずイメージには素材が必要です。素材とは料理で言えば、大根やごぼうや調味料にあたります。 それは過去の体験から持って来ることもできるし、現在の感覚体系を素材とすることもできます。 素材がうまく選べない人は、感覚が閉ざされているか、倉庫が空っぽであるか、倉庫がさびついて使えない人です。それではよいイメージは描けません。 イメージの素材を豊かに活用することを、イメージ作りの第一の課題としましょう。 A8) 感覚の場のモデルを覚える 心象法では、感覚の「対象」を問題とします。これは私たちが自分のさまざまな感覚を使って、どのような認識を培ってきたかを見当するものです。 具体的には、感覚の対象には、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、平衡感覚、皮膚感覚、深部感覚、内臓感覚があります(SRSの第一レベルを学んだ人は、初級のステップ8の講習内容を復習のこと。 心象法では、これらの諸感覚によって得られた内容を点検し、それをより鮮明にとらえ、操作する訓練を行います。 そこで、心象法の基本訓練を行うにあたり、手と感覚との特殊な対応を覚えて、感覚を操作する際に役立てるようにします。 この対応は、人体における感覚の場を手にあてはめて、覚えやすくすると同時に、この手を「基地」(ベース)として、感覚体験をまとめてゆく準備となります。 ここから先の具体的な内容は、心象法Aの講習で学んでください。
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