速読法を学ぶ人には大きく分けて二つのグループがある。
第一のグループの人は、「日々、情報に追われている状況を何とか改善したい」人たちである。
具体的には、資格試験や大学受験、高校受験その他の受験を目指しており、その準備を効率よく行いたい人たち、
日々大量の文書に囲まれてその処理に悲鳴を上げている人たちが第一グループに含まれる。
読書が好きでもっとたくさんの本を読みたいが、実際には読み切れないので何とかしたい愛読家たちもこのグループに属する。
第二のグループの人たちは、速読法の訓練を通じて自己変革をしたいと願う人たちである。
この人たちは、最初からSRS速読法が「強力かつ総合的な能力開発法」であることを知っている場合が多い。
その上で、実践的にそれを学びたいと思ってくるのだ。
この中には「自分の可能性をもっと知りたい」「自分を再発見したい」という人も少なくない。
「ぼけを予防したい」、「頭をよくしたい」、「もっと元気な日々を過ごしたい」という人もいる。
本解説を読み始めた皆さんはどちらのグループに属しているであろうか。
第一グループの人たちは目前の目標に追われているのに対して、
第二グループの人たちは人生のより大きなビジョンを持ち、それを達成したいと願っている人たちである。
実際の受講者の割合は、第一グループと第二グループの比率が2対1くらいになっていると思われる。
もちろん両者を兼ねている人も少なくない。
SRS速読法はこれまで、この両者のいずれに対しても、満足すべき成果を上げて来た。
すなわち、
第一グループの人たちには速読力を得てもらい、さらにより大きな世界の入り口に立ってもらった。
第二グループの人たちには、各人が期待した結果を与えると同時に、
人間と集団に関する予想外の奥深い事実を体験的に知ってもらったのだ。
両者に共通な出来事は、「人間の心身の情報処理システムの根本的改善」である。
本解説が提供するのはそのような過去の成果の総説と、その技術の概説と、未来へのより新しい展望とである。
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