<福島県グランデコスキー場から、東京都の小笠原諸島の
          父島に移動したアサギマダラの詳細> 06年12月10日



【移動情報】 グランデコスキー場 8/24 → 小笠原父島 12/10 (SRS12263 → ・) ♂ 前後画像あり


■移動情報
グランデコスキー場 8/24 → 東京都小笠原村父島 12/10
(南南東方向に約1199km移動。移動日数は108日間)


標 識:SRS12263 デコ 8/24
性 別:♂ 

標識日:2006年8月24日13:32 
標識地:福島県耶麻郡北塩原村桧原荒砂沢山
        グランデコスキー場
標識者:栗田昌裕
備  考 :ヨツバヒヨドリにて吸蜜。
      鮮度 上の下。破損 なし。腹部横径 正常上限。
     翅縁白毛 6割残存。画像あり。

再捕獲日:2006年12月10日10:00
再捕獲地:東京都小笠原村父島中央山の南側 標高約250メートル
再捕獲者:高藤裕二
備考    :気温 24℃。天気 晴れ。鮮度 チョットだけ傷み。

■コメント
 1)再捕獲時の鮮度は、アサギネットに掲載された画像(左側前・後翅)
  で判断すると、私の基準では以下のようになります。
  『鮮度 下の下。破損 左後翅に2箇所、右後翅も1箇所以上あり。
  腹部横経 不明。翅縁白毛 1割以下残存』。
  これは1199km、108日間の移動に矛盾しない変化と考えられます。
 2)今回の御報告は、2003年の12月23日に、ケアンズに向かう機上で、
  空の上から、東京〜小笠原〜グアム〜ケアンズの上空を飛びながら、
  「アサギマダラはきっとグアムあたりまでは飛んでいるだろう」と確信
  したことの一部を証明していただいたことになっていますので、大変
  にうれしく思います。
  (注:参考。  asagiML [asagi:007085] 「南北ルート」について。
  その中では以下のようなアイデアを示しました:
  「・・・。私は以前から、『アサギマダラは、海面の上の情報にも従っている
  が、海面下の情報も把握して飛んでいるのではないか』と根拠もなく考え
  ていたので、この東京からの『南北コース』(富士火山帯→小笠原諸島→
  マリワナ諸島)は、『アサギマダラが飛ぶ可能性があるもうひとつの魅力
  的なコース』のように感じられました」。・・・。「アサギマダラも、本州〜台
  湾の間を渡る力量があれば、グアムあたりまでなら、飛んで来てもおか
  しくないのではないか??[成田〜グアムまでは飛行機では約2520Km
  の飛行距離]ましてや、小笠原諸島までならば??」。・・・)。
  昨年も今年もグランデコ発のアサギマダラに関して、伊豆半島の根本近
  辺で少なからぬ頭数の再捕獲をしていただいていたので、きっといつか
  「グランデコ→父島」の例も出るのではないかと期待していました。
  予想外に早く実現していただいて本当にうれしく思います。
 3)今年(2006年)は、8/27にグランデコスキー場で放蝶した
  「SRS14567 8/27 デコ」を、9/30に、伊豆大島(東京都大島町)で、
  清邦彦さんに再捕獲していただきました(約338km、34日間の移動)。
  この移動は、本例と無関係ではないように思われます。
  また、「SRS10205 8/18 デコ」は10/9に駿東郡長泉町で島田氏によって
  再捕獲されました。これも気にかかるデータです。
 4)昨年(2005年)は、東三河さんが愛知県田原市蔵王山権現の森(標高25M)
  で放蝶された「T.I 110 三河 10/1」が、同じ高藤裕二さんによって、12/30に、

  小笠原村父島の中央山南側標高約300mで再捕獲されました。
  これが小笠原諸島でアサギマダラが再捕獲された第一例でした。
  本例は第二例となりました。今後の展開が楽しみです。


以上、栗田昌裕・記。(asagi-MLへの報告【asagi011159】)

アサギマダラの記録に戻るには:
2006年、「渡りをする蝶」アサギマダラの旅の記録

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http://www.srs21.com

写真(1) 8/24、グランデコスキー場での画像 写真(2) 12/10、父島での画像