<グランデコスキー場から、和歌山県新宮市に移動したアサギマダラの詳細> 
                                                             06年10月11日

【移動情報】 グランデコスキー場 8/14 → 和歌山県新宮市 10/11 (SRS8046 → 撮影)
                                        ♀前(後)画像あり


■移動情報
グランデコスキー場 8/14 → 和歌山県新宮市 10/11
(南西方向に約580km移動。移動日数は58日間)


標 識:SRS 8046 デコ 8/14 - - -
性 別:♀ 

標識日:2006年8月14日 15:01
標識地:福島県耶麻郡北塩原村桧原荒砂沢山
        グランデコスキー場
標識者:栗田昌裕
備  考 :ヨツバヒヨドリにて吸蜜。
      鮮度 上の中。破損なし。腹部横径 正常範囲。
     翅縁白毛 7割残存。交尾痕なし。画像あり。

再確認日:2006年10月11日 15:06
再確認地:和歌山県新宮市熊野川町(旧:和歌山県東牟婁郡熊野川町)
再確認者:西野貴子&島田紗季
備考    :撮影。クルマギクにて吸蜜。

■コメント
 1)標識の「---」は、交尾の痕跡や腹部の擦過痕や腹部の硬結を認めなかったことを示します。
 2)06年にグランデコで標識した10900頭のSRS個体のうち、和歌山県に移動したのは8頭で
   すべて日高町西山での再捕獲個体でした。本例を入れて9例になりますが、これは再捕獲
   全156例中の5.8%に当たります。   
 3)新宮市(熊野川流域)での再捕獲は初めてなので、興味深い一例です。
   西山に移動した8例は9月30日から10月18日までに再捕獲されましたから、
   本個体も通常の期間中に移動していたものと推測されました。
 4)近い将来に絶滅する危険性の高い絶滅危惧IB類(EN)に属するシオン属クルマギク
   (Aster tenuipes Makino)で吸蜜していたとのこと。報告例が見あたらず、印象的な一例です。
   クルマギクは8〜10月直径2cmほどの白い花を咲かせます。
   一般に、アサギマダラの移動中には予想外のいろいろな植物に吸蜜する場面を見かけます。
   本例もそのような一例かと想像しています。
 5)この個体の情報は大阪府立大学大学院の平井規央先生から送っていただきました。
   平井先生経由で、「クルマギクで吸蜜しているアサギマダラSRS8046」の画像も送っていただき
   ましたので、下に掲載させていただきます(画像は、枠に収めるために、手を加えました)。
   画像の左は、再確認時、10月11日のものです。
   画像の右は、放蝶時、8月14日のものです。
   画像上で比較すると、2ヶ月後にも大きな破損は生じていないように思われます。

以上、栗田昌裕・記。(asagi-MLへの報告【asagi011127】)

HPのトップ頁は以下です: 
http://www.srs21.com

10月11日、クルマギクとアサギマダラ(SRS8046) 撮影・西野貴子・島田紗季 放蝶時 (8月14日福島県で撮影・栗田昌裕)