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外国から侵入して来た生物は、ときに非常に早いペースで拡散していく。ハキダメギク(Galinsoga
ciliata、掃溜菊)もそのような外来の雑草の一つだ。ハキダメギクとは何とも美しくない名前であるが、これは東京都世田谷区のごみ捨て場の近くで初めて見つかったからついた名前である。発見者は牧野富太郎氏だという。ひどい命名にもかえって「印象的で忘れがたい」利点があるかもしれない。特徴は花が大変小さいことにある(直径5mm)。茎も細いし、葉の数も控えめなので、意外に目立たないものだが、おそらく、皆さんの周囲にも生えているに違いない。そのつもりで歩いていると、きっと思いがけない場所の足許にいつか発見することであろう。侵入生物とはそういうものだ。おそらく熱帯アメリカ原産で、大正年間に日本に侵入し、第二次大戦後に目立つようになった。
[撮影・解説:栗田昌裕]
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