210■ヒガンバナ (ヒガンバナ科ヒガンバナ属)

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[解説]■輪状の花序が美しいヒガンバナ/マンジュシャゲ
    /ヒガンバナ科ヒガンバナ属/パラレル法
[解説]
 ヒガンバナは9月の彼岸の頃に咲くのでヒガンバナ。
 むかしむかし、中国から渡来した言われていますが、
 今では日本中の民家の近くに群生しています。
 鱗茎から数十センチの花茎をすらりと伸ばして、
 鮮紅色の輪状の花を咲かせますが、
 よくよく見ると、花の空間配置は見事なものです。
 特に水田の脇などに生えているものは、
 背景の緑色と花の赤色の補色の対比が美しさを増幅します。
 花を咲かせるときには花茎だけ伸ばすことに集中して、
 花期が終わると、葉を伸ばします。
 その潔い切り替えには好感が持てます。
 鱗茎にはリコリン、セキサニン、ホモリコリンといった
 アルカロイドの仲間の有毒物質が含まれ、
 生で口に入れれば下痢や腹痛や呼吸困難を引き起こします。
 しかし、水溶性の物質なので、すりつぶして水にさらすと、
 デンプンを利用することができます。
 これを水田のあぜなどに植える理由の一つには、
 その毒性でもぐらやのノネズミを防ぐ意図もあるのです。
 私はこの花を思うと、子供時代の田園風景が鮮やかに蘇ります。
 皆さんは、畑の脇や水田でヒガンバナの群落を見たら、
 昔の人の知恵にも想像を広げてみましょう。
    【この写真は大阪府高槻市の芥川流域で9月下旬に撮影した】
    [パラレル法で立体視ができる]
    [撮影・解説:栗田昌裕]
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