取材記事。雑誌「新しい保健ニュース」執筆記事
(2002年10月1日号)

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以下、雑誌「新しい保健ニュース」に依頼されて執筆した「立体視訓練」に関する掲載記事を紹介します。
参考にしてください。
     出典: 雑誌「新しい保健ニュース」(健学社)、
          2003年10月1日号、
           2頁。
この記事は、別に出された
    「保健室にようこそ!小学校用
     新しい 保健ニュース
     生活力を身につける 2002年10月5日号」
に掲載された立体視の画像訓練の解説編になっています。
 画像は省略しますが、そこでは、
「パソコンをしたり、本を読んだり、近くのもの
    ばかりを見ていると、目の筋肉が疲れてしまいま
    すね。そんなときは、遠くの自然の風景を見ると、
    目の筋肉を休めることができます。
    また目の体操は、目の筋肉を休めるストレッチに
    なります。目の疲れをとる方法にチャレンジして
    みましょう。
として、栗田博士が作成した写真や画像が紹介してあります。

なお、SRSの立体視訓練の実際は、
    SRS眼力法の講習か、
    SRS速読法中級講習か、
などで学んでください。
詳細はSRS研究所(電話03−3821−3197)にお問い合わせください。

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解説編
 立体視の訓練は脳を活性化させ、視力を向上させる
群馬パース学園短期大学教授 栗田昌裕

 目は人間の持つ感覚の中でもっとも発達した器官です。私たちの受け取る情報の八割も
が目から入って来ると言われています。目はまさに情報の窓であり、しかも心の窓でもあ
るのです。だから、目の善し悪しは大きな問題です。
 しかし、過去20年数間、生徒の視力は下がり続けてきました。一時は有機リンを含む
農薬の蓄積の影響が指摘され、その後は、パソコンやゲーム機の影響が議論されました。
姿勢や照明やその他の生活習慣も関連があり、原因は単一ではありません。
 実際には、生徒に腕や肩や首のこりほぐしを指導すると、その場で視力がかなり改善し
ますので、子供たちはいわば、「本来の視力から下がった状態」(=下げ底状態)にある
と考えられます。ここで紹介する立体視の訓練は、そのような下げ底状態の子供の視力を、
目の運動や瞳孔調節の制御と、脳の中の画像調節力の活性化を通して改善する試みです。
その結果として、脳自体の活性化も起きてきます。詳細は述べるスペースがありませんが、
立体視訓練には、@自律神経調和効果、A眼筋の均等使用効果、B視野の均等使用効果、
C内面空間の確立効果、D内面空間の充実効果、という5つの効果があります(参照:「3
D写真で目がどんどん良くなる本」、栗田昌裕著、三笠書房)。
 ここではクロス法とパラレル法で立体視をするコツを説明しましょう。
 クロス法の場合、右目で左側の対象を、左目で右側の対象を眺めるようにします(壁新
聞の左下図、右上図参照)。このとき対象と中心視野を結ぶ目線がページの手前でクロス
(交差)するので、クロス法と呼びます。クロス法は、2つの対象と2つの目のなす四角
形の対角線が合う点で目線が合うように眺めるとうまくできます。目線の配置がきちんと
できると、脳が左右の目から入った画像を融合して、対象が立体的に見えるように解釈し
てくれます。右目で左の■を眺め、左目で右の■を眺めるように目を寄せ、しばらくその
状態を維持していると、脳の働きによって画像が融合して、立体像が見えてきます。この
ときに、早い人ではすぐに立体視が成立しますが、やや遅い人ではじわじわと立体視が成
立します。最初は立体視ができない人も、あきらめないで、次に進んでください。
 目線を交差させるクロス法に対して、パラレル法では、目を寄せずに、紙の向こう側の
できるだけ遠いところを見ることから始めます。そして、右目では右の■を、左目では左
の■を見るように目線が配置されると、脳が解釈を初めて立体的に見えるのです(右下の
2つの図参照)。
 左下の図をクロス法で行うと、立体図形が手前に浮き上がって来るのが正解です。とこ
ろが、訓練の最初には内部が向こうに沈んで見える人が約1割います。これはパラレル法
で見ているからです。これは眼筋のコントロールが思い通りにできていないために起きた
ことで、頭の良し悪しや、視力の善し悪しとは無関係です。
 立体視が成立したら、その状態を維持したまま目線を左右、上下に動かしたり、顔を前
後に移動させたりすると、視力回復効果はさらに強まります。

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