唐木恵子さんとの対談・後編

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Let’s study!
●ケイコ先生こと唐木恵子さんが
あなたに代わって栗田昌裕博士に質問します
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そこが知りたい速読法
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雑誌「ダ・ヴィンチ」 
2002年2月6日号40−41頁
 唐木恵子 からきけいこ
 1973年、東京都出身。東京大学教育学部健康教育学科卒。女優。突然「連行」されて家庭教師のケイコ先生となり、東大合格を目指したNTV系、「進ぬ!電波少年」での一途な姿は記憶に新しい。自身も高3になってから東大受験を宣言し、見事合格して周囲をあっと言わせた有言実行型。身一つで勝負する相撲の世界が好きで、「月刊大相撲」で連載を持つ一面も。現在CX系「スタアの恋」出演中。著書「受験坂本ちゃん屁の河童」(日本テレビ出版)。新刊に「ケイコ先生の合格のルール」(朝日出版社)がある。ケイコ先生の最新情報は、http://www.k-keiko.comをご覧ください。

 栗田昌裕 くりたまさひろ
 1951年、愛知県出身。東京大学理学部数学科卒、同大学院修士課程修了、同医学部卒、米国カリフォルニア大学留学、医学博士、薬学博士。薬物動態学、肝臓病学、医学統計、システム理論などの研究を進める一方、講演や執筆活動も行う。日本で最初に速読1級の検定試験合格後、速読を入口としたSRS能力開発法を提唱。世界伝統医学退会3回連続グランプリ受賞をはじめ、毎日21世紀賞、2001年提言賞等受賞も多数。


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その2「体験編」
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時間に追われ、気がつけば何カ月もそのままの読みかけの本、時間のある時に読んでいるけど、何だか手ごたえが残らない。自分を豊かにし、肝心な時に読んだことが役立つような“身に付く”読書がしたいと、女優・唐木恵子さんがSRS速読法提唱者・栗田昌裕博士に速読について訊ねる対談もそろそろ中盤。ゆっくり読むより速く読む方がいいという博士のレクチャーでその場ですぐできる速読トレーニング体験へ。すると…。まさに、論より証拠。あなたも試してみますか。


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KARAKI● 先生、私もこれから速読ができるようになるでしょうか。
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唐木● 先生、私もこれから速読ができるようになるでしょうか。

栗田■ もちろん。もったいないことに、ほとんどの人は、読書するのに、脳の素晴らしい機能を使いきれていないんです。知性にまつわる脳の働きとは、ピラミッド構造であると考えてみてください。速く大量に読んで、ちゃんと理解し、価値ある行動に変えられる、「速読している」状態は、最高かつ強力な頂点のレベル。しかし、数ページ読むのに何日もかかったり、読んでも頭に入らないような読書は、ピラミッドの底辺の一部だけを働かせているに過ぎません。常に頂点レベルで脳を使ってやるためには、底辺を全体的に活性化する必要がある。そうすれば、誰でも速く読めるようになりますよ。


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KURITA● もちろんです。
読書するのに、脳の素晴らしい機能をまだ使いこなしていないだけなんですから。
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唐木● 底辺の働きって、具体的にはどんな機能なんですか。

栗田■ 潜在意識や、体の内側の全ての働きが含まれます。SRS速読法では、それらを、筋肉や関節を動かす「運動系」、自律神経によって働く内臓などの「自律系」、感情や情緒を生む「感情系」、イマジネーションを湧かせる「心象系」、すべての働きを支える潜在能力の領域である「潜在系」の6つに分けてアプローチします。脳と体はつながっていますから、6つの領域がバランスよく機能し始めると、いろいろな相乗効果が生まれるんですよ。

唐木● そうなんですね…。

栗田■ 底辺がしっかりすれば頂点も安定しますから、速読ができるようになって、限られた時間を充実して過ごすことができるようになったとか、学習能力が向上したなどの感想も出てくるようになるわけです。

唐木● それは、子供の頃には持っていたけれども、大人になって失ってしまった脳の力を取り戻したからということになるんでしょうか?

栗田■ それに近い感覚を得る人もいらっしゃるでしょう。イメージ力、記憶力、感受性などについて、「幼い頃にはあったけれど、大人になってなくなった」ことが甦ったという人は多いようです。けれども、人間の能力とはその時のものであって、例えば30歳の人が、速読トレーニングをしてできなかったことができるようになっても、それは過去の能力を取り戻したのではなくて、30歳現在の能力が伸びたということなんですよ。だから幾つになっても人は伸びるし、本当はそうあるべきなんですね。

唐木● わあ、心強い!先生、私にもトレーニングを教えて下さい。

栗田■ 1分単位でできますよ。

唐木● え、そんなに簡単に速読ができるようになるんですか?

栗田■ 脳に関しても速読に関しても、トレーニングは全部1分以内。1分を超えるものはありません。講習では、初級、中級、上級を各10ステップずつにプログラムして、1ステップに2時間程度かけ、理解しながらそれらのトレーニングをやってもらっています。

唐木● それで本当に誰でも速くなっていくんですか?


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KURITA● 初級レベルでの読書速度は
  全クラスで平均17倍アップというデータが得られています。
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栗田■ 「運動系」トレーニングを1分やると読書速度が2割アップ、「自律系」をやるとまた2割アップ、といった具合です。同じようにして知性を支える脳の領域をトレーニングしていくと、途中で低迷したとしても、初級レベルでの読書速度は平均17倍アップというデータが得られています。開講以来380クラスのすべてでそうですね。

唐木● すごい。


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KARAKI● 私も今、
  こんな簡単な方法で自分が変わったということを教えていただきました。
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栗田■ それでは唐木さん、簡単な「運動系」のトレーニング、「指回し体操」をやってみますか。

唐木● テレビで観たことがあります。よろしくお願いします。

栗田■ 指は微細な運動が可能ですよね。そこをコントロールする脳の領域を体操で刺激してやると、知的活動にさまざまな良い影響が、即座に出るんですよ。

唐木● 指先を使うとぼけないとか言いますけど……。

栗田■ 「指回し体操」はちょっと違う。通常使われる指の動きは屈伸がほとんどですが、指回しは回旋。これで効果がぐんとはっきりするんです。指先を触れ合わないように回すと、まず体が柔軟になります。次に知的処理能力がアップします。計算速度が上がったり、もちろん、速読スピードも向上してきますよ。今試してすぐにわかるのは体の柔軟性ですから、それについてやってみましょう。

 まず、前屈や上体反らし、首や腰の回り具合等、体の柔軟度を測る唐木さん。その後栗田博士の指示通りに「指回し体操」に1分間トライ。改めて柔軟度を測り直してみると、前屈、上体反らしはなんと10センチ以上伸びていた。首や腰も格段に柔らかくなり、さっきは視野に入っていなかったものがたくさん見える、と大喜び。

唐木● なるほど、こうして視野が開発されて、大量の情報も瞬時に読める目ができるわけですね。

栗田■ 体だけではなく、指を回して読書や計算等の知的作業にかかると、速さも軒並みアップします。初級なら計算は4割アップくらい。こうしていったん自分の速さを自覚すると、もうそれは一生その人の能力になる。

唐木● そのレベルからトレーニングしたら、またさらに向上しますか?

栗田■ ええ、繰り返しでどんどん高められていくでしょう。

唐木● 確かに私も今、こんな簡単な方法で脳がばっちり刺激されて、眠っている自分の可能性に期待しちゃいました。

指回し体操■■ 左右の指を丸いものを包みこむ要領で合わせ、ふっくらとしたドームを作る。この形を崩さないように注意しながら、互いが触れないように親指だけを離し、糸巻きのように20回転。同様に人指し指から小指まで順番に回す。巧緻性と敏捷性を伴って指を回すことで自律神経が活性化し、運動系の潜在能力を引きだすという。親指や人指し指はうまく回せても中指や薬指になるとうまく回せないという人は多いはず。指を回しながら体のあちこちを曲げたり伸ばしたりすると、その場でみるみるこれまでの限界が超えられ、驚きの唐木さん。

(次号へ続く)

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■あなたの疑問、ダ・ヴィンチ編集部が確かめます!
速読は誰にでもできるのか?
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速読を人生に役立てたかったら、焦って読んでも呑気に読んでもいけない。読み手の活性化こそが肝心なのだ。ここに登場していただいたのは、読書速度が受講者全員10倍突破しているので有名な、SRS速読法の受講者3人。誰もが本の世界に共鳴し、短期間で理解力や集中力を養成できるというメソッドを選んだ彼らの体験談に、あなたにもできる速読の可能性を見つけてほしい。


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銀行勤務 KNさん・36歳・女性
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「『読んだつもり』ではなく、メッセージを『ちゃんと理解』する読書になりました」
 もともと読むのが遅いことを気にしていたんです。飛ばし読みや斜め読みで時間を省いても、頭に残らないなら意味がないと思い、速読をマスターすることにしました。
 スタート時は1分間に文庫本1ページ弱の速さだったのが、初級コース修了時には、文庫本の3分の1近く読めるようになって。内容を理解できているから、理解力も上がったと思います。今は本だけでなく業界紙や雑誌もよく読んでいます。雑誌は自分にとって必要な情報とそうでないものとがはっきり分かれますよね。それなのに、今までの私は、最初から最後まで全部読んで頭に入れないと気が済まなかったんです。情報を広く見て必要なことを選び取ったりすることが苦手でした。だから、気持ちが乗らないと何度も読み返したりすることになって、薄い雑誌1冊に何日もかかったりして。やりたいことのために読んでいるはずが、そのための時間がいつまでも作れなかったですね(笑)。今も新聞すべてに目を通すことは変わらないんですが、これまでの読み方と違うのは、情報の選別があっという間にできるようになったことです。
 マスターして良かったと思うのは速読の頭の使い方。仕事や読書では集中するほうですが、速読でなら、一つだけでなく二つ、三つと必要な要素を並列に考えながら作業を進めると、集中する効果が一気に高まるんです。目の前のことだけにとらわれないからパニックにならないし、大事なことをミスしなくなりました。
「速読で一つだけでなく二つ、三つと必要な要素を並列に考える読み方に」


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舞台ダンサー TMさん・32歳・男性
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「速読のリズムで、思考、行動のテンポも加速。感動するセンスに磨きがかかりました」
 速読は誰にでもできると思います。トレーニングが簡単なので、1分でもいいから心を込めて試してみるといいと思います。そこで何らかの変化を体験できるはずだから、それをもとにステップアップを続けるだけです。
 僕の場合は10ステップのうちの6ステップ辺りで、今までの読み方でなく、広げた本の情報をまとめて、目から頭に入れるほうがラクだと感じた瞬間が変化のきっかけでした。それからは1行ずつ読むのが面倒に感じるようになって、読むテンポが変わり、スピードも一緒に上がりました。僕はそれで初級コースで40倍のスピードになりました。
 もともと哲学関係の本を読んでじっくり考えるのが好きなんですが、長くて難解なものの文字を追いかけて、読破することだけに執心していたようなところがありました。速読をマスターしてからは、読む作業にとらわれなくなった分、分厚く難解な本でも気軽に読む感覚が持てるようになりましたね。積ん読、読まず嫌いもなくなりました。それに端を発して、「状況を読む」とか「人の心を読む」ということの意味もわかってきたように思います。速読とは、自分の内面を動かすことによって感動や心の豊かさを生み出すものなんですね。私はお客様に驚きや感動を味わっていただくために体を目一杯動かす職業ですが、内面が活性化すると体も元気になるということがわかりました。体力までが増強されるんですね。
「速読で分厚く難解な専門書でも時間をかけずに体に残す読み方に」


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学習塾塾長 ASさん・53歳・男性
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「資料探しや答案採点、似たようなものを大量に読んでも瞬時に違いが読みとれます」
 SRS速読法を上級までマスターし、現在はインストラクター資格を取得しました。自分の主催する学習塾では、SRSのエッセンスを反映した授業で子供たちの学習に目覚ましい成果を上げることができました。半信半疑で挑戦した速読でしたが、今となっては私の生活に欠かせません。
 SRSで何が変わったかということについて端的に説明します。まずは初級レベルですが、今まで知らなかった自分について知る機会を得て、感動の連続でした。脳の力や体の力について、自分がこんなに変われるのかという自信を与えられる段階だったと思います。気がつけば体調がよくなって、本は今までの10倍以上の速さで読めているし、読書、仕事、勉強、あらゆる状況で、目で認識して頭に入るものが格段に増えました。速く読むという目標については、初級レベルで十分満足したほどです。中級の頃には、体全体を活性化するトレーニングで長年悩まされてきた顎関節症が治るほどのベストコンディションになり、本は数分で速読して、役立つ情報を頭の中にファイリングする毎日でした。無駄が何一つ感じられず、充実していましたよ。
 上級以降では、教わる側から教える側に回って、いよいよやりたかったことに挑戦しているところです。子供の勉強効率を引き上げることで勉強時間を短縮できたので、ベーゴマからパソコンまで、遊びにも一緒に取り組んでいます。視野の広い子供を育てたいんですよね。
「速読で視野が広がるうえ体調が整うので目や頭が全く疲れない読み方に」


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栗田先生に質問!
Q「私の普段の読み方と速読とでは、
  どんな点が違うんですか?」(22歳・学生・女性)
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A まずはじめにがらりと変わるのは、目の使い方です。
 普通の読書の場合、たいていの人が頭の中で文章を読み上げる黙読か、無意識に声を出して読む音読をしていらっしゃると思います。こうした、耳から取り入れられた音による情報は、鼓膜の振動から内耳の骨、リンパ液の膜へと順に伝わってキャッチされます。このしくみは糸電話と同じ。一次元的な言語情報を順番に聞くことしかできません。対して目は、言語はもちろん、その空間にあるすべての三次元的な情報を一瞬で見て取ることができます。耳による情報処理に携わる聴細胞が2、3万であるのに対し、目による情報処理に携わる視細胞は1億3千万。見ると聞くとでは、その処理に5000倍以上の情報の密度の差があるというわけです。SRSのトレーニングは、そんな目からの情報を一気に取り込む視野を使いこなすことから始まります。昔から、「見る」ことは、知ること、学ぶことの基礎とされてきました。「見る力」をつけるには、とにかく見ること。「百聞は一見に如かず」の言葉通り、情報が発するメッセージを間違いなく受け取り、損なうことなく頭に入れるには、速く大量に読むのが、人間の身体に一番合った方法であるということがわかるはずです。


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