■ SRSメールマガジン第12号

 
一つ前のメールマガジンを読む
次のメールマガジンを読む
メールマガジンリストへ
メールマガジンのトップページへ戻る
HP表紙に戻る
2002.10.30
※…※…※…※…※…※…※…※…※…※…※…※

 ◇エス アール エス研究所メールマガジン◇
          第12号 

※…※…※…※…※…※…※…※…※…※…※…※
☆ 目次
[エス アール エス ホットニュース]
  ●SRS速読法・初級5回講習(第400クラス)修了(+体験談9例)
  ●SRS記憶法A・第30期修了(+体験談5例)
[最新版3D写真]
  ●ヤマユリ(クロス法)
[全人会ニュースより]
  ●「入力のときの指の動きで体調が分かる・・・
      自己制御の第一歩は指運動・眼球運動のバロメーターとしての活用にある」
                              (全人会ニュース390号より)
[季節だより]
  ●「国立自然教育園で秋の植物の園を心の空間にまるごと移植して楽しんだ」
                              (全人会ニュース392号より)
[栗田先生近況]
  ●直木賞作家・山本一力氏との対談、等。
[出版案内]
  ●マジックアイ1、マジックアイ2の増刷、等。
[講座案内]
  ●「記憶法」、「肩の会」、「眼力法」
─────────────────────────
[エス アール エス ホットニュース]
●SRS速読法・初級5回講習(第400クラス)修了
 10月12日から始まったSRS速読法・初級5回講習(第400クラス)が27日に修了しました。
 第400クラスは土曜日と日曜日の両日を使いながら半月で初級の課程を修了するクラスであり、この形式のスケジュールで授業が行われるクラスとしては、9月に行われた第397クラスに続いて2番目のクラスとなります。
 読書速度は、クラス平均で見ると、初速830字/分だったものが、初級(ステップ10)修了時には23919字/分となり、クラスの平均倍率は30.2倍となりました。
 迷路(20秒でたどるもの)は8個だったものが22個に増えました(3.0倍)。
 計算(60秒でできる個数)は75個だったものが、106個に増えました(44%アップ)[データはいずれも平均値。倍率は比率の平均値を示す]。

以下、400クラスの3日目(ステップ5とステップ6)の感想の一部を紹介します。
 ■例1 KN(男性19歳)
 【ステップ5・全体の感想】「速度が増すにつれて、想起内容が増す」というのがおどろきだった。想像上で背後を意識したら、イメージの範囲、発想の範囲がさらに広がったような気がした[スタッフ注:この感想はイメージ訓練の前後移動法の体験について述べています]。見たものを一瞬ながらも残せるようになってきたと思う。
 【ステップ6・全体の感想】イメージが前より鮮明になってきたことによって、そのイメージ世界で遊ぶ、という感覚になってきた。ただ複数のことを一ぺんに動かすのは、まだまだむずかしい[スタッフ注:これは並列訓練の体験について述べています]。速読も、“音の社長”の声がだんだん聞こえなくなってきたように感じる。自分は多分“切り捨て派”だと思うので、そこを今後改善していきたい[スタッフ注:切り捨て派とは、進歩をしても、進歩の自覚が遅れる人たちのことです]。
 ■例2 SS(男性23歳)
 【ステップ5・全体の感想】全体で4800字まで上がった。自分の場合、無理に2行に固定するよりも、上から面を見渡すイメージで臨んだ方が気分的に楽な気がする。これまで大体目標通りか、それ以上で推移している。ただし、目標を大きく超えるには、迷路や計算などの苦手分野を克服していきたい!
 【ステップ6・全体の感想】大分リズムがつかめてきた気がする。自分の目標は最終的には技術書、専門書を速読することなので、少し欲張って20000〜30000字くらいまで突き進んでいきたい。チャンクという概念は驚きだった[スタッフ注:チャンクは速読の五要素の一つとして解説されます]。自分でわかったつもりになっていたが、実際は言われるまでなかなか気付かないものだ。
 ■例3 KT(男性24歳)
 【ステップ5・全体の感想】栗田先生が言われたように「目標」はとても大切な事だと思う。これまでを振り返ってみても、高い目標を設定してきたからこそ、達成感を味わうことができ、自分自身も成長してきたと思う。だから、今回の講習でも3万字を超えるよう努力したい。
 ■例4 MK(男性29歳)
 【ステップ6・全体の感想】・速読時にインプットしたものがなかなかアウトプットできなくて悩んでいたが、それを続けることで徐々に改善されていくというお話を聞いて頑張ろうと思った。・本を読むのが以前よりも楽しくなってきた。
 ■例5 JI(女性33歳)
 【ステップ5・全体の感想】きのうの2行読みでスランプ、今朝の講義で、それは社長さんがブレーキを踏んでいるのだと気づいた。(内容がつかめない不安が大きい→字をとらえようとしていた、と気づく)今は理解する段階ではなく、ちゃんとインクのしみを見ることだと思い直し、スピードを上げた[スタッフ注: 「ステップ5は、処理の段階の訓練ではなく、入力の段階の訓練である」ということです]。目標はここに来る前30倍くらいになれたらいいな、と思っていましたが、今は30倍になろうと、思っています。今、大切なのはこわがらずにスピードを上げることですね。
 【ステップ6・十二脳神経刺激法】顔の筋肉を意識的に使ったことがなかったけれど、やってみるとすっきりしりして気持ちがいいですね。
【ステップ6・全体の感想】・スピード・スピード・スピード。内容をつかまえるよりスピードだと午前中に気づいたら午後の6Stepで先生がそのお話をされ、うれしかったです。今日読んだものはどこに入っているのでしょう。今は何だか開けられない貯金箱にお金を入れているような感じがします。指回し、イメージ訓練、みんなの足を引っ張っているような気がします。一週間がんばります。
 ■例6 MH(女性41歳)
 【ステップ5・全体の感想】8,000字に達し非常に嬉しい。講義中、身体がぽかぽかと暖かく感じられたのに対し、頭はいつになくスッキリしていた。昨日、しっかりした姿勢を保つのがとても困難だったが、今日は余りムリせず出来た。心に落ち着きが出て来たように感じる。不思議と空腹を感じなかった。
 【ステップ6・閉眼指回し】暗闇から始まったが、どんどん明るさが増した。
 【ステップ6・全体の感想】未知の領域の姿が少しずつ見え始め、不安もあるが、ワクワクしながらチャレンジするチャンスと受け取めて集中したい。目のチャンキング能力の高さを教えて頂いてホッとした。自分の目を信頼しようと思う。時間の経過が段々早くなったように感じている[スタッフ注: これは集中力・持続力が高まってきたことを意味しています]。
 ■例7 TK(男性43歳)
 【ステップ5・全体の感想】・速読が自分にも出来るという感覚が出てきた。・指回しの訓練の時に「自分はこれ位が限界だ」という制約がかかっていた気がする。・目標設定がすべてだとの考えからすると自分で作っている枠を取り払う必要があると思った。
 【ステップ6・全体の感想】・とにかく情報を皿にたくさん入れようと思った[スタッフ注: 皿とは、視野の皿のことです]。・どちらかというと全無派と思っているので、行動を変えていきたいと思う[スタッフ注: 全無派とは、0か1かで考えて、中間を認めない姿勢のことです。これは進歩を自己否定しがちな状態ですので、改善が望まれるのです]。・今までめんどうだと思っていた読書だったのにいろいろな本を読みたいという気持が湧いてきている。
 ■例8 TT(男性48歳)
 【ステップ6・全体の感想】今回までの講義で速読に対する考え方がまるっきり変わりました[スタッフ注:たくさんの思いこみ、固定観念や、誤解が改善したのですね]。例えが悪いですが、ゴルフの上達法と同じで、思っていることと逆のことが多いように思われます。今後も力まずに努力を続けていきたいと考えています。
 ■例9 CH(女性48歳)
 【ステップ5・全体の感想】速読へ向かうイメージが理解できた。今まで速読のために必要なあらゆる訓練をしてきたのだと実感した。こういう訓練が速読につながるのかなと最初は不安だったが、このままやり続ければ、もっと自分の夢がかなえられるのでしょう。
 【ステップ6・全体の感想】光の読書の意味が分かりかけた。二行読みは面倒だと思った[スタッフ注:二行読みが面倒だというのは、もう三行以上を読む準備が整ったので、脱出したい、という意味です]。次回の講義が楽しみである。

●第30期記憶法修了
 10月24日、第30期記憶法Aのクラスが修了しました。記憶法AはSRS能力開発法のステップ41から45にあたる講座(速読など他の講座に参加したことがない方でも参加できます)で、26の独自の技術を用いて、記銘・保持・想起の力を飛躍的に伸ばし、情報処理の基礎である記憶を改革します。今回は21名(平均年齢33歳)が受講しました。次回は、11月12日に開講で、火曜日の夜に5回行います。
 記憶法の4回目の体験談の一部を紹介しよう。

■記憶法・例1 KH(男性32歳)
【前回からの気づき発見】ほぼ毎日夢を見るようになり、内容もリアルになり色も少しつくようになった。
【日常生活での役立て】数字を覚える時に100までの数字ファイルを使っている。
【感想】
・Lの方法:びっくりするくらいよく覚えることができた。心の中にこういうファイルを多く作っておき、日々の生活の中でこのファイルの世界を大きくすることがとても重要であると感じた。(今週家でやってみよう)
・Cの方法:地図は自分が広島出身なので広島周辺の地理に結びつけた。
・Nの方法:なつかしい小学校だった。自分も小学生にもどってみんなと一緒に数字を見て、体験して遊んでいた。
・Pの方法:絵の中で遊んで楽しかった。
・C・Pの方法:まだあまり飲み込めていないがものすごく強力だった。今まで絶対覚えられないと思っていたものを覚えてゆく自信がついた。今週よく練習して自分のものにしよう。
・エコーイング:これも面白い。思い出そうとした時にエコーイングが追ってきた。数字が消えてしまわないでエコーして残っていた。
・今日はどれもトレーニングがビンビンしていた。記憶法がだんだんとっつきやすくなってきた。今週の訓練で一気に自分のものにしたい。

■記憶法・例2 KK(男性32歳)
【感想】
・Lの方法:十二支の動物を使う発想は、思いもつかなかった。想像をふくらますことは、無限大であることを知った。
・Cの方法:イメージを働かすことで、東西南北、それぞれの言葉が簡単に理解できた。
・Nの方法:イメージのやり方は、非常に奥が深かった。しかし、あくまで想像の世界であった。その発想は自由で楽しいものであった。
・Pの方法:写真に動物を住ませる発想はユニークであった。普段気付いていない物で、実践してみたくなった。
・C・Pの方法:工夫しだいで、色々なものに応用できる。
・エコーイング:リピートの加速を上昇させることが重要であることが理解できた。
・イメージの活用が非常に重要であることを知った。その活用が工夫となり、面白いものとなってきた。

■記憶法・例3 KT (男性19歳) 感想の一部
【前回からの気づき発見】10分ほど光の読書をした後、何も意識しないで本を見ると、文字が目に飛び込んできた。今までは意識しないと速読できなかったので、少し進歩した。うれしい。
【日常生活での役立て】試験勉強のため、ゆっくり本を読む時間がないが、速読のおかげで、毎日新聞に目を通し、1日1冊読書をすることができる。情報を入れれば入れる程、体が元気になってくる。
【感想】テストイメージを行っていると、過去の体験が思い出され、気分が高揚してきました。
・Nの方法:速読法で学ぶイメージ訓練は様々ありますが、このように記憶法を使って覚えると、いつでもどこでもすぐに訓練できて便利です。
・Pの方法:スゴイ!!スゴイ!!Pの方法に何度も挑戦しましたが、添付する情報が以前ではごちゃごちゃになっていました。それなのに、こんなにいともたやすく、情報を確実に分類して絵に関連づけるとは!!
・エコーイング:10桁も自信を持って書けるようになりました。

■記憶法・例4 TY(男性41歳)
【感想】
・Lの方法:うまく関連づけられると想起しやすく、イメージもだいぶしっかりイメージできるようになってきた。しっかりした記憶ファイルの重要性を知った。
・Cの方法:場所のイメージがしっかりできると感連づけがだいぶ楽。
・Nの方法:イメージ力により、より強く記憶しやすくなった。
・Pの方法:1枚の写真で50個。意外と覚えられそうでビックリしている。いずれにしてもイメージがどんどん湧いてきた。
・C・Pの方法:印象がしっかりして、いろいろ覚えられそうな気がしてきた。
・エコーイング:しっかり聞きエコーイングすれば、だいぶ覚えられそうな気がする。

■記憶法・例5 SS(男性24歳) 感想の一部
【 感想】
・Lの方法:よく出来た記憶ファイルは、別のベースファイルとなり、記憶する手段が増え、また記憶するのが楽しくなると思いました。
・Cの方法:また新たな記憶ファイルができ、これもベースファイルとなるようにしたいと思います。
・Nの方法:1〜6の方法を適用することによって記憶すべき対象がしっかり頭の中でイメージされ定着できるように思います。
・Pの方法:たった1枚の写真であってもできる様々なドメインを持っており、記憶の対象物と結びつけるPointになることを知りました。
・C・Pの方法:奥深いが、ものすごく有用な方法だと感じました。
・感想:とても有意義でした。

────────────────────────────
[最新版3D写真(添付書類)]
●ヤマユリ/芦ノ湖畔/箱根
(クロス法で立体的に見えます)
[解説] 
 ヤマユリは日本の山野に咲く百合の中で代表的なもの。
 優雅さとあでやかさを兼ね備えている。
 私の実家の周囲の山にもヤマユリが咲いていた。
 自然のセッティングの中で出会うヤマユリは、
 それを見ることだけで幸福感を与えてくれる。
 今回は、箱根で撮影したヤマユリの映像を立体視してもらいたい。
 場所は芦ノ湖のほとり。季節は8月。
  撮影・解説:栗田昌裕
────────────────────────────
[全人会ニュースより]
●「入力のときの指の動きで体調が分かる・・・
      自己制御の第一歩は指運動・眼球運動のバロメーターとしての活用にある」
                              (全人会ニュース390号より)

 パソコン入力をしていると、調子よく指が動くときと、そうでないときがある。
 これは、指を動かす運動系の調子を知る上で有用である。
 指が調子よく動くときは、実は頭の調子がよいときである。
 指が不調であったり、キー操作にミスが起きやすいときには、頭の調子がよくないときだ。睡眠不足であったり、疲労が蓄積しているときにはそのようなことが起きる。
 そこで、指の動きをバロメーターにして、体調管理を心がけることが賢い。
 これは指回しでも同様の指摘ができる。
 指がよく回るときは、頭がよく回っているときだ。
 指の回り方が遅かったり、ぎごちないときには、頭の回転にも問題がある。
 同様のことはさらに眼球運動でも言える。
 以前にも全人会ニュースで指摘したことがあるが、眼球の動きが遅いときには、頭の響きが悪いものだ。眼球がよく動くときには、理解力も高いし、発想力も良好だ。
 潜在意識レベルでこれを見ると、指がよく動くときは、潜在意識もよく動いており、しかも調和し、バランスが取れていることを意味する。
 潜在意識が並列的によく動いているときには、指の操作も、並列的に動きやすい。
 指の場は、心身の全体の調子(調和・均衡を含む)を代表している。
 このように、眼球運動、指運動を目安にして、体調を知り、頭の調子を知り、生活を律していくことは自己制御から自己開発に至る道筋をたどる第一歩だ。
──────────────────────────
[季節だより]
●「国立自然教育園で秋の植物の園を心の空間にまるごと移植して楽しんだ」
 前号では、山地の一画にある赤城自然園の10月6日の様子を紹介した。
 今回はその一週間後に、平地で見つけた秋の植物の様子を紹介しよう。
 2002年10月13日に、国立自然教育園を訪れることができた。
 国立自然教育園は、東京都内にあるが、昔の武蔵野の植物をそのまま保存しているいわば植物のオアシスのような場所だ。江戸時代には高松藩主松平讃岐の守の下屋敷だった。
 広大な敷地の中には、うっそうとした森林に囲まれて、池や川、湿地や草原がある。
 この土地の様子とそこにある植物とを頭にインプットしておいて、その季節変化を眺めていくと、東京の本来の季節の推移を楽しむことができる。

1■入り口の近くの小道には、路傍植物園が両側に続いている。そこを眺めて見よう。
 1)シロヨメナの白い可憐な花が咲いている。ヨメナは類似の花が多いので、要注意。
 2)イヌショウマの群落があるが、花は完全に終わって枯れている。花茎の先は試験官を洗うブラシが白くなったような外観を呈している。
 3)ホトトギスが不思議な形の花を咲かせている。その色は紫と白のまだら模様だ。ホトトギスは代表的な秋の景色だ。ホトトギスは花も美しいが、茎や葉が初夏に見せる形態美も魅力的だ。別な場所では、白いホトトギスにも遭遇した。
 4)マツカゼソウがかなり大きく育っていた(→HPの3D植物園参照)。私はこれの初夏のこぎれいで清楚な風情が好きだ。秋になると、全体がやや乱雑になる。小さな白い花がわずかに咲き残り、やや扁平な黄緑色の実がたくさん出来ていた。
 5)緑色の葉が美しいヤブミョウガがまっすぐ立ち上がった花茎の先に藍色の丸い実をつけていた。
 6)細目の葉を持ったタイアザミのピンク色の花がたくさん咲いていた。この敷地のいろいろな場所にタイアザミが育っている。
 7)ダイコンソウのトゲトゲした実が観察された。ダイコンソウは葉がダイコンに似ているのでつけられた名前だ。大抵は虫食い状態のため、なかなかよい写真を撮影することができないのが残念だ。
8)蔓植物のカラスウリが見事に橙色に熟した実を見せていた。この美しい色彩の実を見ると、秋が深まって来たという実感を持つ。
 9)ヨウシュヤマゴボウの実が黒紫色に熟していた。これは渡来植物だが、毎年同じ場所に生えて来るので、過去に体験した風景を思い出す際のキー・イメージとして有用だ。
 10)ウバユリも昨年と同じ位置に実をつけて立っていた。
 11)ゲンノショウコが白い小さい花をまだ咲かせていた。玄関の册の近くの地面にもゲンノショウコの花が咲いていたが、そこはピンク色だった(→HPの3D植物園参照)。ゲンノショウコの花は白から赤紫までの色彩変化がある。民間薬として昔から有名だが、色違いの花が同じ場所で咲いているときは不思議な印象が生ずる。
 12)ヤブコウジ科のカラタチバナに赤い実とまだ白い実とが混在してなっていた。背丈は小さいが、庭園の飾りとしては貴重な植物だ。
 13)マンリョウの実が赤く色づき初めていた。庭園では重宝される植物だ。
 14)カリガネソウが咲いていた。カリガネソウは、青い蝶そのものが飛んでいるかのような不思議な形をした花を咲かせる。私はこれと同じもしくは極めて類似の植物をフロリダのキーウエストという小島の庭園で見たことがある。そこは船長をしていたその庭園の昔の持ち主が、世界中から珍しい植物を集めて来た場所であった。きっとその船長も、この花の形の不思議さに関心を惹かれたのであろう。
 
2■次に、右手奥の湿地を訪れた。そこで遭遇した植物たちを紹介しよう。
 1)ここには赤紫色のツリフネソウが咲いている。私が東京都で最初にツリフネソウの花を見たのはここの池のほとりである。
 2)コバギボウシの実が花茎の脇にたくさんついていた。
 3)ミズタマソウが水滴を連想させる小さな丸い実をたくさんつけていた。
 4)ミズヒキやキンミズヒキも生えている。ミズヒキは赤い細いひも状の花穂をつけるのが特徴だ。キンミズヒキは花は黄色いが、秋の今は花はなく、花穂の周囲にユニークな円錐形の実をたくさん並べてつけている。その形は円錐の底面の周囲にひげを生やした状態とでも表現しておこう。
 5)エゾアブラガヤの穂が池のほとりに垂れていた。カヤツリグサの仲間だが、穂が大きく、明るい褐色のその穂は、遠くからでも目立つのが特徴的だ。
 6)小さなコブナグサは線香花火のような穂を立てていた。
 7)ススキが池のほとりで群落をなしていたが、この季節の穂が集まると、さすがに美しい景観を作り出す。
 8)そのススキの群落のすそには、ギンリョウソウが花を咲かせていた。これはススキに対する一種の寄生植物である。目立つ植物ではないので、その気で探さないと遭遇できない。しかし、形は面白く、キセルを立てたように見える。ここのように表示があると、発見が容易になる。教育園と呼ぶだけあって、植物を学ぶ者に対して教育的な価値がある場所だ。
 9)シロバナサクラタデが小さく可憐な花を咲かせていた。
 10)チカラシバが黒っぽい穂を力強く伸ばしていた。
 11)沼地ではノハラアザミの花を見ることができた。
 12)マユミの木に、淡い肌色の果実がたくさんなっていた。これも秋の木の実としては代表的なものだ。
 13)ハンノキがまだ緑色の固い実をつけていた。これは最後には松ぼっくりのように焦げ茶色になっていく。来年咲く予定の細長い花穂もすでに準備されて緑色のまま垂れている。ハンノキは湿地に親和性がある樹木だ。ミドリシジミという美しい蝶の食草である。ハンノキに出会うと、小学校時代に、実家の近くでミドリシジミを初めて発見したときの場面が鮮やか蘇ってくる。池の斜面にはヤマハンノキも生えていた。
 14)ノイバラは、葉がすっかり落ちて、かわりに赤い実がぎっしりとついて池のほとりに素晴らしい雰囲気を作り出していた。春には可憐な花を楽しむことができ、晩春には赤い実が賑やかについた風情を楽しむことができる。どんな植物にも季節毎の楽しみ方があるものだ。
 15)ヒメガマのやや細いソーセージのような穂が沼の中から突き出て、天然の生け花のようにも見え、秋らしさを醸し出していた。
 10)湿地にはアキノウナギツカミのピンクがかった白い花が群落をなして花を咲かせている場面に出会うことができた。可憐な花が大地を埋めるようにあちらにもこちらにも一斉に咲いている様子はいつまでも目を楽しませてくれそうだ。
 11)湿地には、ワレモコウやナガボノシロワレモコウの花が咲いていた。ワレモコウは焦げ茶色の花をつけるが、ナガボノシロワレモコウは名前のごとく穂がやや長く、白い花を咲かせる。ナガボノワレモコウはここ以外では見たことがないので、私にとっては貴重な観察の場所だ。
 12)細葉のサワヒヨドリが、ヒヨドリグサによく似た小さな花をつけて咲いていた。
 13)ノダケというセリ科の植物が花を咲かせていた。この季節だ湿地ではなかなか目立つ植物だ。セリ科では、他にミツバも生えている。
 14)小さい葉が幾何学的に空間配置をしたタカトウダイがあり、その小さな実を撮影することができた。
 15)ユウガギクの白い可憐な花にも出会った。
 16)湿地によくあるヨシももちろんたくさん生えていた。ミツガシワやマコモなどの湿地の植物にもお目にかかった。
17)メヤブマオやケチジミザサやフタリシズカやチダケサシにもお目にかかれた。
 18)沼の近くの斜面では、ツリバナという木のユニークな実も観察できた。
 19)歩きながら、随所でヌスビトハギの実がズボンにくっついて来た。植物の実がズボンにたくさんついて来る体験は、秋を思わせるとともに、子供時代に野原を歩き回っていたことをなつかしく思い出させる体験の一つだ。

3■自然の中で散歩しながら出来あがるまざまな植物に対する思い出は、そのときそのときの出会いの場所の記憶に結びついた状態で心の中の場を構築する。
 すると、その場はまた、別な植物を見るときのベースとして、なつかしく、有用な空間になる。
 SRS能力開発法の体系の中では、散歩で創り上げた内面の植物の園は、単なる「記憶の場」から、「よく響く」「理解の場」になり、やがては、並列的に発想する「創造の場」にも転用していくことができる。
 散歩をしながら、季節感の豊かな内面ファイルを構築していこう。
 そして、心の中に豊かな植物の園を作ろう。
  (全人会ニュース392号より)

※みなさまからも[季節だより]の原稿を募集いたします。
 日本は南北に長い国です。自然は、同時期に各地方でさまざまな表情を見せてくれます。このマガジン上に、たくさんの地方からの「同時期自然レポート」を載せていきたいと思います。下の要領でお送りください。

1. 記録した日付、場所、送信者のお名前をお書きください。(掲載は匿名でいたします。)
2. ホームページから通常のメールアドレスを使ってお送りください。
3. メールのタイトルを「季節だより」としてください。

 なお、紙面の都合で、お寄せいただいた原稿すべてを載せることができない場合があります。また、短く編集するなど、いただいた原稿にこちらで手を加えさせていただくこともあります。どうぞご了承ください。
────────────────────────
[栗田先生近況]
●「直木賞作家・山本一力氏との対談」
2002年10月24日に、雑誌「ダ・ヴィンチ」の企画で、2002年2月に直木賞を受賞した時代小説の作家・山本一力氏名と対談をしました。
場所は、新宿駅の南西に最近出来た小田急ホテル・センチュリーサザンタワーの35階。
そこの窓から見ると、明治神宮と新宿御苑のそれぞれの敷地の全体が一望のもとに見えました。明治神宮がまるまる見える場所としてはここは最高の立地条件でしょう。
事前に、山本氏の本を7冊渡されたので、それを速読してから対談に臨みました。
そのとき読んだ本の中で、私と氏とが1992年に意外なところで接点を持っていたことを見つけました。
二人の共通のキーワードは「風景」でした。
山本氏が、時代小説を創るときには、地図を見て、風景を構築していかれるという。
速読する者は、まさにその風景を高速に読みとるのです。
その際には、頁の中に、時間、空間、物質、人間、価値、情報、生命という七つの柱を立てて、それぞれの側面を並列的にスーパーリードしていくのです。
風景を眺めるように本をとらえるのが速読だと知って、山本氏は大いに納得されたようでした。
作家との対談は、東野圭吾氏、鈴木広司氏に次いで三回目でした。
それぞれの方から、直にお話をする機会を得ることによって、創作の秘密のようなものを感じ取ることができました。それを簡単に表現すれば「潜在意識と共鳴の活かし方」です。
対談の内容は2回に渡って、雑誌「ダ・ヴィンチ」に連載される予定です。
●テレビ朝日のニュースキャスター阿部美穂子さんとの対談の2回目の記事(後編)が、「ダ・ヴィンチ 1月号」(12月6日発行)に掲載される予定です。
────────────────────────
[出版案内]
●「みるみる目が良くなるマジックアイ@」(ワニブックス)、および、
 「みるみる目が良くなるマジックアイA」(ワニブックス)の増刷が新たに決まりました。発売日は11月6日です(奥付日は12月5日)。

●「栗田式 仕事力を10倍高める速読トレーニング」(PHP研究所、2002年7月21日発行)は、好評をいただいています。

●「『一夜づけ』超スピード 勉強法」(PHP研究所、2002年8月発行)
は韓国語への翻訳が決まり、契約書が交わされました。

●KKベストセラーズから、「速読法と記憶法 パワーアップ編」(栗田昌裕著、2000年9月発行)が出版されました。同出版社の「速読法と記憶法」の続編です。

●「心身の科学 第37巻」(SRS研究所)が発行されました。
 2001年11〜12月の全人会ニュースの第376−383号の内容が収録されています。ご希望の方は、SRS研究所(電話03−3821−3197)にお問い合わせを。

●「不動産受験新報」に連載中です。
 「不動産受験新報、10月号」、住宅新報社、2002年10月1日発行。
 「資格試験を突破する能力開発法 第9回」、p166−169。
 今回は、兵法の応用に関して述べている。
 「不動産受験新報、11月号」、住宅新報社、2002年11月1日発行。
 「資格試験を突破する能力開発法 第10回」、p217−220。
  反応不良に関して述べている。

●11月下旬にはPHP出版社から、記憶法の文庫本が出る予定です。
 これはキヨスクなどでも入手できるとのことです。
────────────────────────────────────────
[講座案内]
●記憶法A
    11/12、26、12/3、10、17(いずれも火曜日)の午後7時〜11時に行われます。
    (注!:日程が変更になりましたので、申し込まれた方は再確認をしてください)。

●速読法初級5回講習、一泊研修の新日程が出ました!
    5回講習:1/12(土)、18(土)、19(日)、25(土)、26(日)午前9時より。
    一泊研修:2/1-2 
  早い時期に満員になることが予想されます。
  受講ご希望の方はお早めにお申し込みください。

●定例会 10/31 第88回「並列法」【高速並列思考法】
       並列処理は、高速な情報処理で最も必要とされる仕組みです。特に潜在
       意識で並列処理ができる仕組みを構築することは、能力開発の最大のカ
       ギです。そのための見識と技術を指導します。
      11/21  第89回「躍動法」【知性躍動運用法】
       知性を絶えずダイナミックに活用し、知的生産力を高め、豊かな精神生
       活をするための技術を指導します。その前提は、潜在意識を活性化し、
       加速することにあります。それにはどうしたらよいでしょうか。
       その答えを教えます。
      12/19  第90回「内観法」【内観力追求強化法】
       内面観察力は知的情報処理の仕組みを点検し、自覚し、その制御力を高
       め、情報処理能力を発展させるために役立つ重要な能力です。その力を
       どのようにして涵養し、どのように強化するかを指導します。

●肩の会 この会では、自分でできる心身のチェック、凝り痛みの改善法を指導し
       ます。相互にチェックすることも行います。
       次回は、11月7日の夜です。

●健康法 金曜日午後に行われています。全十回の第8回目が終わりました。

●眼力法 金曜日の夜に行われています。全十回の第6回目が終わりました。
       このクラスでは、変動磁気を用いた方法、栗田式手技を用いた方法、
       3D写真を用いた方法の3通りが活用されています。
 ※出席ご希望の方は研究所まで早めにお電話を!

●講座のご案内
 各種講座の日程がホームページに掲載されています。
 受講お申し込み、お問い合わせはtel. 03-3821-3197までお願いいたします。


一つ前のメールマガジンを読む
次のメールマガジンを読む
メールマガジンリストへ
メールマガジンのトップページへ戻る
HP表紙に戻る