信ずることも固定観念を作る

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 感情的な疑問が進歩を遅らせるのと同様に、逆に「信ずる」ことも進歩を遅らせる。
 過去の学問の歴史を振り返ると「常識を信ずる」ことで作られた固定観念が革命的な新発見を邪魔した実例を無数に見い出すことができる。過去の宗教史を見ても、根拠のない信念を強要された信者が、結果として犯罪に走ったり、自らも家族も不幸な状態に陥った例を無数に見ることができる。このような事実は、人間が根拠のないことを「信じやすい」存在であることを示すと同時に、信ずることが発想や思考を縛りつけることを示している。
 能力開発は、既存の領域から未知の領域に進んでいくことであるから、余分な固定観念は束縛以外の何ものでもない。だから、速読法の訓練でも「信ずることは不要」なのだ。
 能力開発に必要とされるのは、注意深い観察力であり、問題を見抜く洞察力であり、事実や結果を慎重に点検する評価力である。特に、栗田式の速読法はほとんどの訓練が1分以内に終わるものばかりなので、「信ずることは不要」である。虚心に実践すればその場でどんどん目に見える結果が出るからである。以下の川井俊幸氏(30歳、教会勤務、初速884字/分→最終28000字/分、31倍突破)の体験談からヒントを得てほしい。
 「約10年ほど前になりますが、何げなく立ち寄った書店で、初めて速読なるものがこの世に存在することを知りました。それ以後、いつか速読を学んでたくさんの書籍を読み、それを生きた自分の知恵にしていきたいという願いを持っていました。そんな私にとって、今回の学びは本当に願ってもいないチャンスでした。初回から数多くのことを教えていただきました。特に、毎日何気なく出会う事柄が、いかに自分には見えていなかったか、ということに気づかされました。意識をすれば、そこには無限の様々なものとの出会いがあり、そのことを通して更に豊かな生き方ができるのだと思えたことは、今回の学びの中でも一番の収穫であったのではないかと思います。そのようにして意識をしていくと、今まで気づかなかったものに新鮮な感動を覚え、こういう世界があったのだという驚きが生まれ、そのような世界に感動できる自分がとても嬉しくなります。速読とは、本を速く読むということだけでなく、自分に神様から与えられた全ての器官を通して、より積極的に、より前向きに受けとめていくことなのだと感じています。と考えているうちに、いつの間にか20倍を突破していました。これには自分自身も驚きました。従来の読書とは違う新しい読み方を学び、すべての事柄に対して、世の中で一般的だと思われているやり方でなく、もっと幼子のような感性をもって接しながら、取り組んでいきたいと願っています。
 最後に、いつもにこやかにわかりやすく教えて下さった栗田先生、影で様々な準備をして下さったスタッフの方々に心からの感謝をもって閉じさせていただきたいと思います」。