速読でない訓練こそが本質

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 以上の説明で、速読に関して「半信半疑」(あいまいに信じながらも、感情的な疑いを持っている)という状態から抜け出せたであろうか。半信半疑といった「意識の矛盾をはらんだ非生産的な状態」こそが脱出すべき第三の固定観念の世界なのだ。そこを抜け出して、感情的な疑問を知的な疑問に転換して、しかも根拠のない先入観に基いた「信念」を捨てた状態で、知性をフルに作動させて、以後の内容をとらえてほしい。
 速読ツアーの皆さんを待ち受けている第四の固定観念の壁は、「速読力は本を速く読む訓練で得られる」という発想を捨てることである。換言すると、「速読を訓練することが速読の訓練ではない」ことと「速読でない訓練をすることこそが速読力を生む」ことを知ってもらう必要がある。速読ツアーの参加者には、当初このことがわからずに「速読と一見関係のない訓練」をすることに面食らう人がいる。それも無理はない。素人が簡単に予測できるような訓練をいくらしても新世界には到達できるはずはない。「音の読書」という迷路のような世界から脱出するには、誰でも思いつくような「正面」からの攻略では不可能なのだ。普通の人が意外に思うような「裏道」を行く必要がある。しかし実際に脱出してみると、実はその裏道こそが、「能力開発の王道」であったことがわかってくるのだ。