■10倍突破 
  SRS速読体験談 No.154 B

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☆初級30倍速読突破体験談 No.154 <2002.2.12掲載>
「速読は単なる技術ではなく、身体全体、精神全体を総動員した力の集合の結果であると理解でき、二ヶ月間毎日が充実していた」

 SRS速読法初級講習(第368クラス)を受講した加○雄○氏(男性62歳、初速690字
→最高速度10300字/分、32.2倍速読達成)が9ステップを修了した段階で書いた30倍
突破体験談を紹介しましょう。


 私は相当以前に新聞で「世の中には一分で一冊の本を読んでしまう人がいる」という記
事を読んだ記憶があり、どうしてそのようなことが可能なのだろうかと長い間疑問に思っ
ておりました。それが今回ある広告を見て速読講習がある事を知り、この講座にとびつい
た次第です。
 私は速読自体にも勿論興味がありましたが、実はその長年の秘密を是非知りたかったの
です。
 もともと私は小さな頃から書物が好きでしたが、社会人になるにおよび多忙な仕事を理
由に殆ど書物を読む機会を失っておりました。35歳頃あるきっかけから大袈裟に言うと
「読書哲学的な開眼」をしました。
 当時銀行にロスアンゼルス支店に勤務中、ニクソン・ショックで円の切り上げに直面、
毎日深夜におよぶ仕事に追われ続け、それが半年たっても止むようすがなく、当初の海外
勤務の楽しさも、もはや仕事に面白さや生きがいが感じられなくなり相当まいっておりま
した。そんな時に、或る本をふと手にして引き込まれるように読み切ってはっと気づいた
時には、今までの仕事に対する不平不満が雲散霧消して、心が晴れ晴れとなっているでは
ありませんか。日本人にもこんな素晴らしい人がいたのだと思うと、些末な問題などで悩
んでいる自分が実に恥ずかしくなり、気分一新、勇気百倍のような気分になったものです。
 その或る本とは城山三郎著の「落日燃ゆ」です。この本は戦前外相から首相になった広
田弘毅の一生を描いたものです。広田弘毅は貧しい石工の倅に生まれ、石工として人生を
終わるところを郷士の篤志家の援助があって東大にまで進み外交官となった。門閥、財閥
の子息で占められていた当時の外務相では、出世といっても程遠い望みであり、広田は「自
ら計らわず」を人生訓として、与えられた局面の仕事を完璧にこなすなかで、次々と上司
に認められ、同期の吉田茂(戦後外相、首相)よりも早く外務大臣にまでなった。
 当時は日米関係が極めて剣呑で軍部が引き起こす難問が山積する中でも、広田は戦争突
入を何とか阻止しようと日夜努力を重ねるが、援護者の少ない外務大臣としては軍部の独
走を止め得ず、ついに真珠湾攻撃に至ってしまった。
 この事が後の広田の人生に大きく関わってくる事になる。その後広田は首相も務めた。
そして1945年の敗戦となった。敗戦後、連合軍は戦犯の追求、捜索を行う中で、東条
英機を始めとする軍人の他に、この戦争を命令・指導した文官(シビリアン)がいるはず
だとして、開戦当時外務大臣であった広田をA級戦犯として逮捕した。
 連合軍、特に米国の考え方では軍人が自らの判断で戦争を始める事は厳禁されており、
必ず「文官の命令」があって戦争を始めたはずであるという「シビリアン・コントロール」
の考え方が根底にあったからである。
 余談になるが、米国大統領が国の内外を問わずどこへ行く時にも、核のボタンを収めた
カバンをお付きの人が持ち歩いているが、これはもし核戦争になった場合でも、決して軍
人が主導権を持っているものではなく、シビリアンである大統領がそれを持っている事の
証である。
 東京裁判の場に被告として臨んだ広田は、今までのあらゆる戦争阻止の努力を強く主張
し、広田のカウンター・パートナーであり、広田の和平への努力をよく理解していたグル
ー駐日大使を始めとする証人を請願すれば、十分勝ち目があると言われていたにもかかわ
らず、自分の命がかかっているこの場に及んでも「自ら計らわず」一切の抗弁をせず一三
階段を登って刑台の露と消えたのであった。
 この書物に出会って以来、趣味の読書もさる事ながら、良き書物は打ちひしがれた人に
最大限の勇気を生きる力を与えてくれるものだと信ずるようになりました。
 また、人は自分の仕事を通じてどんどん専門家となって行くが、専門家になり過ぎると
どうしても専門以外の事には関心が薄くなり、いわゆる視野狭窄的な人間になりがちであ
ります。読書は豊かな知識と疑似体験によって、このような視野の狭窄化を防いでくれる
ものであるとも考えるようになりました。
 以来超多忙な仕事人生で、読書どころではない毎日でありましたが、忙しければ忙しい
ほど視野の狭窄化を防止するためにも、読書が必要との信念を持つようになり1年365
日毎日読書し、年間100冊は本を読むとの課題を掲げ、この30年近くこの目標を達成
してきました。そういう意味でこれまでの私の人生は、読書というものを通じて、本当に
素晴らしく恵まれたものであったと深く感謝しております。
 このSRS速読クラスの皆さんは殆どが読書に興味を持つか、読書の大家でいらっしゃ
いますから年間100冊と言っても別にどうって事もない数字で、それ以上に読んでいら
っしゃる方が大勢おられますが、私にとっての読書時間は電車の中と週末のみですから、
テレビも生活からカットした読書人生でやってきました。
 そんな時に、読書のスピードが今の5倍でも、10倍でも早くなればどんなに素晴らしいで
あろうと考えていたところに今回の講習会に出会ったわけです。
 先ず、この講習会の講師を努めてくださった栗田先生の講義における数々の言葉やキー
ワードは私の大切な金言として心深く受けとめました。
 毎回4時間半に及ぶ講義で帰宅は午前1時前後でしたが、最後まで続けられました事に
心から感謝いたします。
 私としましては62歳の年になりまして、夜は早く休む習慣になっておりましたが、深
夜に及ぶ講義にも毎回集中力を途切らせることなくついてゆけた事は大きな自信につなが
っております。
 SRS速読自体は数々の訓練(目づくり、手づくり、心づくり等その他数々の訓練)に
よって構成され、それは全く予想を超えるものでした。速読とはただ単なる技術ではなく、
身体全体、精神全体を総動員した力の集合の結果であると理解しました。
 従って、速読に対する先天的な能力を持つ人は例外で、凡人でも努力すれば必ず達成可
能なものであると理解させられ勇気を得ました。
 という事は今後とも日々これ努力を続けなければ、本当の速読の冥利を得る事はできな
いのだろうと思いますので、講習後も訓練を継続してまいります。
 この講座を受講した初回に栗田先生が「私は電話をしながら速読ができる」とおっしゃ
って、「えっ、そんなことがどうして出来るのですか?」と大いな疑問を心に持った事を
よく記憶しております。9ステップを終わった後のある日の事、夕刊を速読している小生
に家内が話し掛けてきました。ところがどうでしょう。家内と充分に実のある話をしなが
ら、一方では速読を続けても意味も理解している私がいるではありませんか。
 今までなら、読み止めなければ話しができないか、話をすれば、読んでいる意味が分か
らなくなってしまって、家内には読書中には話し掛けるなとよく注意していたものです。
 これで初回の栗田先生の特技が皆にも可能な分かりました。本当に素晴らしい事です。
 「眼力」に対する教えも晴天の霹靂でした。普段自分の周囲のものを見ているつもりが
全く見ていない事を気づかせてくださいました。これは心の力の強さ、弱さの現れかと解
釈しました。人生に対し常に前向きに、チャレンジ精神旺盛な神経を維持しておれば、そ
れが眼力として現れてくるのではないでしょうか。
 人生をエンジョイし、生き生きしている人たちの目は輝いています。このような眼力を
常に保持させたいと思いました。今回のSRS速読にて会得させて頂いたことは、速読の
方法もさる事ながら、人生をいかに生きるかに大きく目を開かせていただきました。
 願わくば20年早くこの講座に出会っていればと言うのが、かなえられない願望です。
 でも望みはあります。講座の始めから高校生の姪と小学6年の甥には是非受けさせなけ
ればと思いながら講義を受けておりました。
 最後になりましたが、このクラスの皆さん、お互いに話し合う時間がありませんでした
が、若年、中年、高年の方々からそれぞれ素晴らしい共鳴を頂き講座を完走することがで
きました事に感謝します。
 栗田先生には毎回4時間半を超える連続講座を一分の中断もなく、後半も講義密度が寸
毫も落ちることなく授けて下さいまして本当に有り難うございました。先生の講義態度は
データを綿密に記録し、積み上げそして検証する学者としての厳しい態度、更に、先生の
学識とチャレンジ精神の旺盛さに心底感銘を受けました。今後栗田博士の更なる業績の大
成を祈念してやみません。
 それからスタッフの皆様、今回の膨大なデータの入力から資料を作成していただき本当
に有り難うございました。これらの資料のおかげでクラスの全員の考え方や感じ方が分か
り、その都度励まされたり、納得したりと随分勇気づけられました。また、自分のつたな
い経験や意見をクラスの皆さんに伝えたいという意欲にもつながりました。
 いずれにしましても、この二ケ月間、本当に毎日が充実しておりました。SRS研究所
の今後のますますのご発展を念じつつ、御礼の言葉とさせていただきます。   以上


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