「風の世界」 八首 10.3.21掲載 「地表」2010年1月号収載 |
10解説←■ 麦の穂に緑の波を引き起こし風の大軍進み行くなり
11解説←■ 花水木のほころび誘う春風は眺むる人の心もほどく
12解説←■ 楠の大樹の峰は水無月の風に打たれて光りとよめく
13解説←■ 山里の風に揺れつつ夕闇に薫りを放つ吸葛(すゐかずら)あり
14解説←■ 緑蔭に一人たたずみさやさやと耳朶打つ風のささやきを聴く
15解説←■ 孔雀蝶は無心に翅を開閉し蜜を吸ひつつ風と戯る
16解説←■ 未掲載
「雲の心」 八首 10.3.14掲載 「地表」2010年1月号収載 |
2解説←■ 青空に冬の牡丹の咲くやうに榛名の峰に浮かぶ白雲
3解説←■ 山肌の雨は上がりて昇龍の群れるがごとく立ち上る雲
4解説←■ 晴れやかな空の舞台にのびのびと育つ雲あり 心安らぐ
5解説←■ おおらかに広がる空に虹色の彩雲ありて心沸きたつ
6解説←■ 夕空に羽根の形の雲ありて動くを見れば心は軽し
7解説←■ 燦然と金に輝く夕雲を見れば心は希望に満ちる
8解説←■ 果てしなき天蓋のもと粛々と進む雲あり 吾も進まむ
9解説←■ うたかたの思ひを乗せて流れゆく赤城の峰の白雲の舟
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