1■シーラカンス  (シーラカンス科)

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■シーラカンス/アンダーシーワールド/ブリスベン/オーストラリア

[解説]
 1938年12月22日、南アフリカ東岸の沖合で奇妙な魚が捕獲されました。
 デボン紀末期から白亜紀にかけて現れ、その後絶滅したと考えられていた古代魚シーラカンスです。
 その後、コモロ諸島の海域を中心として、現在までに二百数十匹以上が採取されました。
 これらは世界中の水族館や博物館に引き取られました。
 1987年には、100メートルもの深さの岩の間で群れている様子が調査隊によって撮影されました。現在も200匹以上が生存していると推定されています。
 その後、18〜19世紀に作られたと言われる銀製のシーラカンスの置物が見つかって話題になったりしました。しかし、これは実は、30〜40年前の作品であることが分かりました。1926年に描かれたとされるシーラカンスのイラストもあります(古物には要注意!)。
 シーラカンスは南アフリカの別の海域でも発見されています(これは本当)。
 モザンビークでは、24匹の稚魚を腹部に持った雌のシーラカンスが見つかりました。稚魚はそれぞれが500gもありました(卵生ではないことに注目)。
 複数の個体の遺伝子分析からは、マダガスカル、モザンビーク、コモロの海域間を移動した可能性が示唆されています。
 1998年には、コモロから1000km離れたインドネシアのスラウエシ島という小島でも発見されました。マーケットで売られていたのを、たまたま通りかかった新婚旅行中のアメリカの研究者アードマンが気付いたのです(1938年のそもそもの発見もマーケットで売られていたのをスミスという学者が気付いたことが発端だったのです)。
 アードマンが張り紙を出したところ、同年7月に、生きているシーラカンスを入手できました。これは世界中のセンセーションを呼びました。シーラカンスは地元の島では神の魚と呼ばれていたものだったのです。その1年後、インドネシアのスラウエシ島の近くの深海356mの地点に潜った調査隊によって、2匹の生きたシーラカンスが撮影されました。
 深海には、今も、シーラカンス以外のさまざまな古代生物が生き残っています。そこは進化の歴史が生きたまま保存されている海域なのです。
 シーラカンスの分布や海流に乗った移動は今も大きな謎のままであり、古代魚のロマンは今後も話題を提供し続けると思われます。
 シーラカンスの特徴は、4本の鰭(ひれ)が四肢に似ていることです。
 四肢に似た鰭や肺の存在は肺魚にも似ており、シーラカンスが両生類に進化した可能性も議論されています。
 シーラカンスは古生代デボン紀(約4億年前)に誕生し、6000年前に滅んだとされていました(地質年代の記憶法は、「栗田式仕事力を10倍高める記憶トレーニング」p110を参照せよ)。
 ここに示す写真はブリスベンから車で1時間半ほど走ったサンシャインコーストにあるアンダーシーワールドのもの。2002年の春に訪れました(全人会ニュース396号には、バンクーバー水族館のものを示しています)。

        [パラレル法で立体的に見えます]
        ----SRSは地球の能力開発----
        ----心の中の自然を育てよう----

        [撮影・解説:栗田昌裕]
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