207■マムシグサ(実) (サトイモ科テンナンショウ属)

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 [解説]
 マムシグサの花は、カマクビをもたげたマムシの頭を連想させる
 ユニークな形をしている。しかし、実もそれに劣らずユニークだ。
 落葉が始まった林の中で、はっと驚くような鮮やかな赤い実をつけ、
 垂直に立ったとうもろこし状の構造体は、大いに気を引く。
 しかし、うっかり口にしてはいけない。
 サポニンを初めとする毒成分が含まれていて、
 やけつくような刺激痛がおきるという。
 球根には特に毒が多く、胃腸炎や、めまい、けいれんも起こすという。
 実の驚くような赤色は文字通り「毒々しい」色彩なのだ。
 マムシグサは、球根が小さいときは花が咲かず、
 少し大きくなると、雄花を咲かせ、
 もっと大きくなると雌花を咲かせる。
 栄養状態によって性転換をする不思議な生物だ。
 その上、雄花は花の下に出口があり、雌花はそれがない。
 マムシの口のような雄花に入って花粉をつけた虫は、
 一方通行で裏口から抜け出た後、雌花に入ると、
 行き場がない花の中の空間でもがきながら花粉をめしべにつけ、
 そのまま死ぬことがあるという。
 植物の戦略は、さまざまな「考える素材」を与えてくれる。
[撮影・解説:栗田昌裕]
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