【今週のちょっといい話】 第2051話−第2054話

 
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<お知らせ>
「次回の初級速読法の一泊研修は2月18日・19日です(講師は栗田)」。    
「次回の初級速読法の半月集中講習は12月3日が開始日です(講師は栗田)」。   
「第125回定例会は11/28(月)開催で『結念法(結念心玉操作法)』です」。


第2051話 ■理想の本に出会えて良かった。こんな考え方の本を探していた。
   「本がいままでの10倍速く読める法」
   (三笠書房刊、栗田昌裕著、02年3月初版)の感想文。
「とても良かったです。私の理想の本に出会えて本当に良かったです。
こんな考え方の本を探していました。
ありがとうございました。
知的生き方文庫、バンザイ」。
   (TT。39歳。女性。高知県佐川町。050613受け取り)。


第2052話(栗田)■三重県南伊勢町から910km飛んだアサギマダラを喜界島で再捕獲した(SRK616 05.11/11)<喜界再捕1例目>
「05年10月19日に、三重県南勢町で標識されたアサギマダラを、23日後に、喜界島で自分で再捕獲しました。
 以下、詳細を記載します。
 05年の10月19日に、三重県南伊勢町の藤坂峠で、玉置高志さんが、アサギマダラに『たま 527 ふじさか』と標識をして放蝶をされました。
 その後、その蝶は、23日後の05年11月11日に、鹿児島県喜界島の百之台公園のでシロノセンダングサに吸蜜に訪れたところを私が再捕獲しました。その個体には、『SRK616』と上書きして放蝶しました。移動距離は約910km。移動方向は南西です。
 これは喜界島で私が再捕獲した蝶の1頭目になりました。
 三重県の蝶がどのような経路をたどって喜界島まで飛ぶのかは、まだよく分かっていません。可能性としては、和歌山県から四国に渡り、そこから一気に太平洋に出るのか、それとも、九州に渡ってから南西諸島に渡るのか、大きく2つの可能性があります。
 アサギマダラの大移動には、その具体的な経路に関して、大きな謎が残されているのです」。
   (栗田昌裕。SRS提唱者。051125記載)。


第2053話(栗田)■群馬県赤城自然園で放蝶したアサギマダラが1252km飛んで喜界島で再捕獲された(AP3491 05.10/1)
「05年10月1日に、群馬県の赤城自然園で私が標識したアサギマダラが、54日後に、喜界島で再捕獲されました。
 以下、詳細を記載します。
 05年の10月1日に、群馬県赤城村の赤城自然園で、アサギマダラに『AP3491』と標識をして放蝶しました。
 その後、その蝶は、54日後の05年11月24日に、鹿児島県喜界島の百之台公園で、ヤマヒヨドリバナに吸蜜に訪れたところを福島誠さんが再捕獲されました。そして、MF8973と追記して再度放蝶されました。
 移動距離は約1252km。移動方向は南西です。
 私が赤城自然園で標識して、その後、遠隔の地で再捕獲された蝶はこれで9頭になりました。赤城自然園では計563頭を標識させていただきましたが、本例はその後に遠隔で再捕獲されたものの9例目です。そこでの再捕獲率は、1.60%です。
 他方、福島県のグランデコから放蝶した個体の再捕獲率は現在1.38%になっています。グランデコからの放蝶の方が、赤城自然園からの放蝶の方が、やや再捕獲率が高くなっているのです。赤城自然園からの他の個体も、よく再捕獲されていますから、この違いには、意味があるのかもしれません。
 本例は、非常に新鮮な個体であり、比較的近域から赤城自然園に来ている可能性がありました。そのような個体は、南西諸島で比較的遅くまで生き延びる可能性がより高いのかもしれません。そう考えると、赤城自然園のAPマーク個体が、比較的遅くまで南西諸島のより南部で見出される割合がやや高めであることの説明がつくかもしれません。
 これは、標識時点での鮮度分析をきちんと行うと、もう少し議論を深めることができる可能性があります。
 アサギマダラはすごい&おもしろい!!
アサギマダラには不思議がある。
  (栗田昌裕。SRS提唱者。051125記載)。


第2054話(栗田)■奄美大島の長雲峠から本茶峠へアサギマダラが20日かけて5km移動した(SRA551 05.10/29)
「05年10月29日に、奄美大島の長雲峠で私が標識をしたアサギマダラが、20日後の11月18日に同じ奄美大島の本茶峠で他の方によって再捕獲されました。
 再捕獲したのは芦澤一郎さんで、『Ashi-132』を追記して、放蝶されました。
 距離的には短い移動ですが、画像を送付してもらいましたので、奄美大島のあるエリアにどれくらい滞在し、その間に翅がどれくらい劣化するのかを分析できた一例となりました。
 過去3年の観察によって、奄美大島と喜界島とを比較すると、喜界島の方が、同一エリア滞在の平均期間が長い印象を持っています。04年の例では、奄美大島のアサギマダラは、11月の中旬までは北部により多く、11月下旬になると、次第に北部は『閑古鳥が鳴く』状態に移行して、12月には、南部で若干見かける程度になりました。03年の体験も考慮すると、『比較的速やかに南方向の島内移動が起きる』のが奄美大島での一般的傾向と考えられます。具体的には北部では、『笠利町→龍郷町→名瀬市』といった流れを形成すると思っています。
 05年は、04年よりも、ヤマヒヨドリバナの状態がよい(=開花している株が多い)上に、04年よりも開花期間が長いために、より多くのアサギマダラが、より年末に近い時期まで観察できています。そんな中で、滞在期間も伸びている可能性があります。
 本例も、20日間、長雲峠〜本茶峠あたりで、滞在していた例と考えられます。
 台風がないこの期間に、翅の劣化度はどう変化したでしょうか。移動前後の画像で比較すると、
●翅面鮮度が中の中から下の上ないし中程度まで落ちたことが見えます。
●右の前翅の微少欠損が、やや拡大したことが見えます。
●翅縁の白毛は、3割残存した状態から、1割以下の残存状態に劣化しました。
このように、比較的温暖な気候の中で、3週間程度経過するだけでも、一定の度合いで翅の劣化が生ずることが分かりました。 
 奄美大島では、数多くの同所再捕獲の例を所有していますので、きちんと分析する努力をすれば、翅の劣化の傾向をある程度擬似定量的に把握できる可能性があります。
 今回、前後の画像が揃ったので、20日間、奄美大島に滞在する間に、翅がどう変わるかを考察できました。このような例が蓄積することで、奄美大島でのアサギマダラの動向がより明確になることでしょう。
(追記。以上の文章は奄美に行く飛行機の中で書いたものですが、これを書いた後、約10日ぶりに奄美大島に降り立ったところ、2〜3週間同所に滞在していた個体をたくさん自己再捕獲できました。今年は、昨年より奄美大島に長期滞在する個体が多いようです。植物と気候とのいずれもが昨年と異なっているからでしょう)」。
   (栗田昌裕。SRS提唱者。051125記載)。


 
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