「社長の読書」と「従業員の読書」

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 音の理解と光の理解という説明をもう少し別な観点から説明し直しておこう。
 「音の読書」が音の回路を用いた遅い読書であることはすでに説明した。その作業で成立する理解を「音の理解」という。このとき用いる意識の場は、言語を用いて逐語的にものごとをとらえる機能を持つ場であり、心理学的に言えば、「表面意識」の場に他ならない。意識の場を会社に例えると、表面意識は、「私」という自我意識が宿る場であるので、意識全体を会社に例えた上で、音の読書は「社長の読書」であると私は説明している。
 他方、「光の読書」とは、光の回路だけを用いた素早い情報処理を行う読書である。その作業で成立する理解を「光の理解」という。このとき用いる意識の場は通常の言語操作を用いないで高速に処理ができる場である。心理学的に言えば、「潜在意識」の場の一部がそれにあたる。会社にたとえれば、光の読書は「従業員の読書」であると説明できる。
 以上の関係を左のように図式的に整理してとらえておこう。このような説明における「会社」の概念は、作業をわかりやすく説明する道具であり、一般に「モデル」と呼ばれる。
 社長の読書から従業員の読書に移行させる途中でさまざまな感動を伴う体験が生ずる。