六つのシステムに基づく訓練の実際

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 先の六つのシステムを刺激するために、それぞれを個別に活性化する訓練が工夫されている。
 1)「運動系」の訓練としては、四肢抹消(手足のこと)を用いる訓練や、眼球を用いる訓練などがある。 このうち、私が提唱した「指回し体操」は、両手の指先を合わせて、それぞれの指が触れ合わないように注意して、順番に回すユニークな運動である(右図参照)。指回しの具体的な方式としては、「巧緻性(=器用さ)」を高めることを主体とした方法、「敏捷性」を高めることを主体とした方法などさまざまな方式があるが、いずれの方法でも、多様な生理的な効果、知的機能増強効果があることが示されている。 指回し以外にも、四肢抹消を用いる独自の訓練があり、豊富なレパートリーとして訓練の段階毎に用意されている。これらについても、指回し同様、科学的なデータが着々と蓄積されつつあり、その成果が実証的に確認されている。
 指回しのやり方
   2)「自律系」の訓練としては、「共鳴呼吸法」と呼ぶ一群の訓練がある。これはゆっくりとした呼吸運動に、感覚の働き、心象の働き(イメージをする働き)、身体の運動、感情の働きなどを同調させてゆく方法群である。
 3)「感情系」の訓練としては、感情のレパートリーを自覚し、それを分解してとらえ、意欲的な姿勢で取り組むことを指導する。一般に、意志のないところに成果はない。明確な意志や意欲を支えるのは、明確な動機と、明確な目的意識と、明確な問題意識と、そのつどの即効的な成果とである。SRSにはそのいずれをも強力にサポートする仕組みがある。
 4)「心象系」の訓練としては、感覚に注意を払って、感受性を鋭敏にする一連の訓練と、空間的な枠組みを変換するような映像操作を行う一連のイメージ訓練とを指導する。 その中には「1分間に樹木を種子から育てるように視覚的にイメージさせ、その育った結果の樹木と周囲の状況を3分間で描く訓練」(これを「樹木成長法」と呼ぶ)も含まれる。
 5)「言語系」の訓練としては、周辺視野の認知力を高めながら、従来の一行読みの訓練を、次第に加速しつつ多行読みに自然に転換させて行くための一連の訓練を行う。
 6)「潜在系」の訓練としては、訓練の開始時に、アンケートによって従来の夢の総括を行い、その後も夢に関心を持たせてその変化を追うように指導する。
 7)上記のカテゴリー以外に、認知力を高める特殊な訓練を行う。
 また、「共鳴カード」を用いた「共鳴力」を高める訓練も行う(「共鳴力」の定義とその詳細、「共鳴カード」の意義とその使用法に関しては拙著、「共鳴力の研究」、PHP研究所刊、を参照)。
 1991年10月からは各クラスの指導内容が一貫したものとなり、それ以後のクラスはすべて通し番号がついている。1997年8月現在、第278クラスまで終了した(SRSには速読法以外に記憶法、心象法、健康法、眼力法、共鳴法、瞑想法などのクラスもあるがこれは278の中には含まれない。個人単位で行われる通信教育もこの数には入らない)。