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■ヤマヒヨドリ(ヤマヒヨドリバナ)/
ピロリジジンアルカロイドをアサギマダラに供給する/
キク科フジバカマ属/パラレル法
[解説]
ヤマヒヨドリは、山地に生える30−100センチのキク科の多年草。
四国、九州から沖縄に生えるフジバカマ属の植物で、ヤマヒヨドリバナとも呼ぶ。
キク科の花は筒状花という小さい単位が集まって頭花という構造をつくる。
ヤマヒヨドリは白い筒状花が5つ集まって、一つの頭花を作る。
通常のキクには舌状花という「はなびら」にあたるものがあるが、
ヤマヒヨドリにはそれがないので、一見すると地味にも感じられる。
茎の上部は枝分かれをして、その上に、「散房状」に頭花がつく。
葉は、ふちにぎざぎざ(鋸歯)があり、柄はやや長く、
形は卵形またはややしもぶくれの形(=披針形)。
9〜11月に花が咲く。一般には白い花が咲くが、
中には、つぼみが美しいピンクの株もある。
フジバカマやヒヨドリバナと同様に、
ピロリジジンアルカロイド(PAと略す。一群の化合物)という成分を含み、
アサギマダラの雄はそれを求めて集まってくる。
取り込んだPAを防御物質にしたり、
雄の性フェロモンの原料として利用すると考えられている。
この物質は、蝶の体内では作られないと考えられているので、
それがどのようにして利用されるようになったのかという、
進化の歴史を知ることは興味深い課題だ。
ひとつひとつの花だけでは美しいという印象は弱いが、
緑の背景の中に白い花の集まりがたくさん並んで咲いている様子は美しく、
さらにアサギマダラやリュウキュウアサギマダラやオオゴマダラを始めとする
多くの種類の蝶が群れて吸蜜している様子は幻想的ですらある。
たくさんの花が咲いているあたりには、PAの独特の香りがただよっている。
その香りにもまた幻想的な雰囲気を高める効果があるのかもしれない。
この写真は喜界島の滝川林道で撮影した。
[パラレル法で立体的に見えるのでやってみよう]
[撮影・解説:栗田昌裕]
画像の無断複製・無断使用を禁じます。
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