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2009.05.07
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 ◇エスアールエス研究所メールマガジン◇
          第144号 
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[SRSからの講習のお知らせ(日程変更を含む)]
◆5月9−10日に、初級速読法の一泊講習が始まります。
  初級速読一泊講習の過去の成果は平均10倍突破です。
  過去のクラスのデータは以下の表から見ることができます:
 http://www.srs21.com/sokudoku/chart%20pages/chart_list.htm
◆各講座の料金などは講座日程案内を参照ください:
 http://www.srs21.com/plan/index.htm
→参加希望者は御連絡を。TEL 03−3821−3197

[栗田先生より]
< 和歌山県の南方熊楠記念館を訪問
   ・・・記憶の巨人は場所記憶と筆写に執念を燃やした
   ・・・熊楠とSRSに接点はあるか  >
■南方熊楠(みなかたくまぐす)は和歌山県生まれの民俗学者・
博物学者・生物学者である。異常な記憶力の持ち主として名高く、
いろいろな場で紹介される機会が少なくない人物である。
 彼をさまざまな角度や関心から研究したり、紹介した著書は
100冊以上に及ぶ。

■今回たまたま和歌山県白浜町にある南方熊楠記念館を訪れ
る機会があった。熊楠に関しては筆者は高校生の頃にそのユニ
ークなエピソードの数々を知り、大学生の頃に関心を持ってその
文章を熟読したことがある。知識がたくさん詰まった内容であるが、
大変読みにくい文体で書かれているとの印象を持った。

■彼の頭の中はどうなっていたのであろうか。また、彼の記憶の
仕方には何か特別な方式があったのだろうか。また彼の情報処
理の仕方は現代人に役立つ側面があるのだろうか。
 思いついたことを2、3述べてみたい。

■実際に残された資料を見ると、彼の営みには3つの際立った
特徴が見られる。

■第一の特徴は、彼が書物を筆写することに異常な執念を燃や
していたことである。これは子供時代からの癖であり、辞書や百
科事典の類をせっせと、書き写していたことが知られている。
 それは一生続いた癖で、17歳で上京して、大学予備門(現・東
大)にいるときも上野の図書館通いをして筆写をしていたようで
あり、20歳頃にアメリカに渡ってからの6年間も、また、その後に、
イギリスに渡って大英博物館で働いている間にも、精力的に筆写
した文書が数多く残されている。
 これは彼が読む喜び、読んで理解する喜びよりも、「書き出すこ
とによる喜び」を強く求めていたことを示している。このようなセン
スはおそらく幼少時に、本を書き写す能力に長けた彼を大いに褒
めた家族がいたために培われたものではないだろうか。
 彼が生まれた時代は1867年(慶応3年)である。もちろん、文
書を複写するコピー機もなく、デジカメで撮影することも行われて
はいなかった。おそらく、本を読んで、書き写すこと自体にかなり
高い価値が置かれていた時代に生まれたために、そのような行
為が習慣づけられたと思われる。もし、彼が現代に生まれたなら
ば、熊楠の行為はあまり意味を持たない行為と見なされた可能
性が高い。もしそうなら、現代の彼は何をしただろうか、と考えて
見るのは無駄ではない。

■第二の特徴は、場所記憶を用いていたことが推測されることだ。
彼が子供時代に外で読み、自宅に帰って書き写した『和漢三才
図会』105冊(今で言えば百科事典)の筆写したものを見ると、
たとえば、太陽にはカラス、月の中にはウサギがいるとする民間
の考えを示した頁の筆写部分では、文字の位置、図の位置など
も再現しようと努力していることがよく分かる。したがって、書かれ
た内容ではなく、書かれた空間をとらえて記憶をする機能を用い
ていたことは間違いないようだ。この場所記憶はもちろん、「目で
とらえ、書いて目で見えるように写す」ことと直結しているもので
あるから、視覚的認知に基く場所記憶である。

■第三の特徴は彼が自然の事物に深い関心を持っていたことだ。
そのハイライトは粘菌の観察、発見、標本収集、スケッチなどに
関わる一生の仕事に表現されている。それ以外にも、東京や米国、
英国にいた時代に化石を集めたり、蟹や植物の標本を集めたり
している。これらは自然を観察し、自然の出来事をよく識別し、
自然に接することそれ自体を喜びとする精神が彼の内部で絶えず
躍動していたことを示している。

■第一の特徴から、彼の記憶に関わる作業は、スピーディなもの
ではなかったことが伺われる。実際、和漢三才図会や本草綱目
は五年の歳月をかけて筆写している。彼の人生のどこにも、速度
を重視したエピソードはなく、速度に価値があると考えたり、速度
を追究した形跡はない。ここはSRS能力開発法の特に速読法
を追究する方針とはかなり異なる点である。ただし、SRS記憶法
に限定すれば、接点はあり得る(実際、筆者にも、小中学校の頃
には百科事典を丸暗記する作業を楽しんでいた時期がある。また
筆者は高校の頃、授業のノートも、板書に書かれた内容の行数だ
けノートにメモしておいて、帰りの電車の中で思い出してノートを
完成させていた時期があるが、これも場所記憶を用いていたので
ある)。 

■第二の特徴は、彼がさまざまな土地で、尋常ではないセンスを
発揮して驚くほど多くの数多くの種類の粘菌を発見したことと無縁
ではない。紀州の山々を跋渉して、通常では考えられないほどの
粘菌を見出した彼であるが、その営みを背後で支えたのは彼の
視覚的空間認知能力であろう。ここにはSRS能力開発法との
深い共有点がある。

■第三の特徴は、彼が生態学的な観点から、神社の統廃合に反
対する活動をしたこととつながっている。晩年までさまざまな自然
破壊に反対し、天然記念物の指定にも尽力をした彼は、エコロジ
ーという概念を明確に意識して活動をした先駆者とも見なされて
いる。SRSでは自然のエコロジーにも関心があるが、心の世界の
エコロジーのあり方にも独自の方法論で迫ろうとしている。

■熊楠を特徴づけたのは抜群の記憶力であるが、実際の社会生
活では奇行が多く、社会的な適応という点では見習う点は少ない。
そこはむしろ反面教師的な側面というべきであろう。
その奇行のゆえに逆に「熊楠は面白い」とするファンも少なくないが、
それはあくまで好奇心の対象として「珍しいものを見る目で」見る
からである。日本が生み出した世界の奇才である熊楠を知って、
その役立つ面と、反面教師的な面との両面から、学ぶべきところを
学んでいただければ幸いである。

■またいつか熊楠に関しては触れる折りがあるだろう。
    (以上 SRS提唱者 栗田昌裕。2009年5月7日記)。

 
 <共有法のDVDが完成しています>
 特別指導会の「共有法」の内容がDVD+テキストになりました。
1■価値を高め価値を共有して日々を有意義に過ごすSRS独自
  の技術を説明する講義をDVDで学ぶことができます。
  概略は以下をごらんください。 
2■ 第144回定例会 【2007年6月28日】
  以下は、「共有法(価値共有増幅活用法)」の紹介文です。
  -----基本概念-----
  価値とは人間として生きていく上で大事な側面である。
  価値あるものを眠らせておくと、価値は活きない。
  そこを共有することで、人生は明るく輝くし、改善していく。
  共有するスペース(=庭)が広ければ広いほど、人生は広がる。
  また価値あるものを共有すると、価値はさらにその価値を増す。
  人生の価値あるものを共有することを通して価値を増幅し、
  活かすことを検討する。
  価値観を鋭敏にし、価値の体系を膨らませて、
  人生の価値、行動の価値を高める秘訣を探る。 
 3■ 購入を希望される、あるいは最近の定例会DVDのバック
  ナンバーを眺めて見たい方は、以下のページをごらんください。
  共有法に関しては: 
http://www.srs21.com/materials/m_teireikai/teireikai_detail/144_kyouyuu-hou.htm 
  定例会DVD全体に関しては:
http://www.srs21.com/materials/m_teireikai/chart_DVD_teireikai.htm 
       (以上、2009年5月7日 栗田昌裕・記)

[講座案内]
  ●講習時間、受講料など詳しいことはホームページでご確認ください。
       http://www.srs21.com/plan/index.htm
     ◆SRS速読法初級クラス
        5回講習:6/6、7、14、20、21(土曜と日曜)。
     ◆SRS速読法初級の一泊研修は5月9、10日(土曜と日曜)
      です。
        注: 研究所に通える範囲の方には、一泊研修より、
        5回講習をお勧めします。理由は、訓練の合計時間がより
        多いことと、中間の日々に宿題が実行できるので、個々の
        訓練を繰り返し深める余裕が持てるからです。 
     ◆特別指導会(定例会)
        5/15(金)「心魚法(潜在心魚養成活用法)」
        基本概念は以下を参照のこと:
      http://www.srs21.com/teireikai/keytonarugainen/167_shingyohou.html
     ◆SRS健康法の会
        5/21(木)重力場健康法。基本概念は以下を参照のこと:
      http://www.srs21.com/teireikai/keytonarugainen/025_jyuryoku.htm

 ●お問い合わせ、受講お申し込みは、
  SRS研究所(tel. 03−3821−3197)までお願いいたします。


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