21■マンボウ: 最大個数の卵を産む繁殖戦略(050731)
   ・・・成長すると4m、2トンを超える
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 マンボウはマンボウ科の魚。世界の温帯から熱帯に分布する。
 マンボウの画像は3D水族館の第15番を参照。
 成長すると、長さは4m、体重は2トンをも超える。
 200mもの深さにまで行く。
 ふだんはゆっくり泳ぐが猛烈な速さで泳ぐこともでき、
 水上に50cmも飛び上がってジャンプできる。
 のんびりした外観だけでは能力や生態の全貌を推し量ることは難しい。
 海にはユニークで不思議な生き物がいるものだ。
 さて、マンボウは卵を3億個も産むという。
 これは魚類の中では最多だといわれる。
 一時に3億個も生むのではない。一生に生む数である。
 数だけ見ると、3億個と言われても実感が伴わない。
 実際に3億個を量として実感するには、言い換えをする必要がある。
 ある人が3mくらいの大きさのマンボウの卵巣を調べたら3.4kgほどあった。
 また04年11月18日に、日本海の島根県温泉津町でまき網にかかって水揚げされた
巨大マンボウは2m75cm、1.15トンあったが、その卵巣は20−30kg程度は
あったという。
 卵巣の大きさの時間変動もありそうなので、議論は難しいが、直径1〜2mm程度の卵
を3億個も含んだ卵巣をイメージすると、少し実感がつかめるかもしれない。
 しかし、卵をそれだけたくさん生んでも、生き残るのは1〜2%に過ぎない。
 これはちょっと考えれば分かる。
 これ以上生き残ったら、世界中の海がマンボウだらけになってしまう。
 生まれた幼魚は、大半が他の魚の餌になってしまう運命を持っている。
 幼魚は成魚には似ておらず、とげとげのある形をしている。
 これは食べられないための戦略かもしれない。
それでも、たくさん食べられて、残るマンボウは少ないのだ。
 たくさん食べられても、それを超える量の卵を産むので、種が存続している。
 生命種はいつも限界を見据えて生命戦略を立てている。

<メッセージ> 質より量で、確率を見越して生きている生物がたくさんいる。
                    (栗田昌裕。050731記)

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