31■オオマツヨイグサ: 夜行性昆虫に適応した開花戦略(050813)
   ・・・オオマツヨイグサは多重の仕組みで
      したたかに生き抜く
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 オオマツヨイグサはアカバナ科のマツヨイグサ属の花。北米原産の帰化植物だ(ヨーロ
ッパで作り出された園芸種だと言う人もいる)。
 名前は大待宵草から来ている。似た草に、メマツヨイグサ、マツヨイグサ、ツキミソウ
がある。オオマツヨイグサが一番大きい。花の直径は8センチにもなる。
 この植物の適応力のすごいところは以下の四側面で覚えておきたい。
 @<環境に適応する時間戦略> 通常は2年草で、秋に芽を出して、ロゼットという形
で冬越して、7月から9月に花を咲かせる。ところが、栄養が乏しいところでは、4〜5
年かけて成長して、花を咲かせると言う。
 A<花の咲く仕組みの面白さ> 日没から20分後くらいに、萼に裂け目が入り、それ
が反り返って、傘が開くように開花する。
 B<開花の時間調節の二重性> 体内時計を持っていて、ほぼ24時間で花を開く。他
方、萼の基部に光センサーがあって、それで時間の調節ができる。晴れのときは遅めに、
曇りのときには早めに花が開く。これは同じ暗さで開花することで、夕方になって活動す
る昆虫の訪問に合わせているのだ。ここには、時間戦略に関して臨機応変さが実現するよ
うに並列原理が用いられている。
 C<花粉を運ばせる戦略の発明> スズメガなどが花を訪れて花粉を運ぶ。そのとき、
わずかに触れただけでも花粉を運んでもらうように、ねばねばした糸(粘着糸)で花粉の
固まりがつながれている。これもすごいアイデアだ。
                   (栗田昌裕。050813記)

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