39■ギンブナ: 他種の雄の精子で繁殖する雌性生殖戦略(050828)
  ・・・雌だけで次世代を作るギンブナは何と他の魚の精子を活用する
一つ前のページに戻る
次のページに進む
  リストへ
HP表紙に戻る

 ギンブナは25cmほどに育つフナの仲間で、マブナとも呼ばれる。
 しかし、ギンブナには雄がほとんどいない。
 それなのに、どんどん繁殖をする。なぜだろうか。
 それは雌だけで勝手に卵を産んで繁殖するからだ。
 これを雌性発生(しせいはっせい)と呼ぶ。
 しかし、その際に、実に不思議なことが起きる。
 一般に卵が稚魚になる際には精子の刺激が必要だ。
 しかし、ギンブナの雄はほとんどいない。
 そこで、他の魚の精子が刺激となって、発生が起きる。
 面白いことに、その精子の遺伝子は使われない。
 精子はただの引き金として働くだけなのだ。
 生まれるのは雌と同じ遺伝子のギンブナなのだ。
 何とも不思議な生殖の仕方と言える。 
 生命の世界は、ワンパターンの発想だけでは理解しがたい。
 常に例外があるものなのだ。
                   (栗田昌裕。050828記)

付記: ●ギンブナの分布はほぼ全国で、北海道、四国、九州、琉球列島。
    ●琵琶湖のギンブナは雌だけという。
    ●猪苗代湖のギンブナは30cmの個体はすべて雌。
     それより小さいものは雌雄が1:1という
    ●発生の刺激となる精子としては、他のコイやフナの仲間、
     ウグイなどのものが可能という。
    ●雌性生殖ができるのは、染色体が、他のコイやフナの
     1.5倍ある(=3倍体)からである。

       ---SRSは美しい地球の能力開発---
          ---心の中の自然を育てよう---
         ---地球の生命体をもっと理解しよう---


一つ前のページに戻る
次のページに進む
リストへ
HP表紙に戻る