46■ウマノオバチ: 20cmもの管で卵を産む寄生戦略(050907)
  ・・・ウマノオバチは木の内部のカミキリムシに
     長い長い産卵管で卵を産んで寄生する
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 ウマノオバチ(馬尾蜂)は、本州、四国、九州に分布するコマユバチ科の昆虫で、体長
は約2cm(15−24mm)。体は褐色。翅の色は黄褐色で、前翅に黒い斑紋が3つある。
雌の後ろ翅には黒い紋が一つあるが、雄にはない。
 その名前のように、雌は馬の尾のような長い産卵管を持っているのが特徴だ。
産卵管の長さは何と15〜20cmもある。
 何と体長の10倍近くの産卵管を持っているのだ。
 この長い尾を垂らしたまま、動き回ったり飛んだりするのは、いかにも不思議な光景だ。
 何のためにこのような長い産卵管を持っているのだろうか。
 この蜂は、シロスジカミキリというカミキリムシの幼虫に卵を産み付けて寄生蜂である。
 カミキリムシの幼虫はクヌギの木の内部に住み、木を食べながら、トンネルを掘って進
む。長い産卵管は、カミキリムシの幼虫に、木の外部から卵を産むために必要なのだ。
 卵を産み付けられたカミキリムシの幼虫は、寄生蜂の幼虫に内部を徐々に食べられな
がら、蛹になる。そして、羽化する前には全部食べてられてしまう。寄生蜂にとっては、
カミキリムシの幼虫は、新鮮な生きた食糧倉庫なのだ。
 寄生するために体長の10倍もある産卵管を作り出して来た進化の道筋を想像すると
き、生命戦略のすごさにひたすら驚嘆の念を抱くのは私だけだろうか。
                    (栗田昌裕。050907記)

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